伊社が開発中の垂直離着陸できる“民間版オスプレイ”1機20億円なり
アグスタウェストランド社副社長「ヘリの約2倍の速さで、東京から小笠原諸島まで2時間20分で飛べる」
伊アグスタウェストランドは開発中の民間用双発ティルトローター機AW609の機体価格について、同社製中型双発ヘリコプターAW139と比べて、25%から30%程度上昇するとの見通しを示した。
AW609は、ヘリコプターと同様に垂直離着陸でき、主翼の両端にあるプロペラの向きを上方から前方に変えると、固定翼機として飛行出来る。同様のティルトローター機として、米軍が運用中で陸上自衛隊が導入を決めた、軍用機のベル・ボーイングV-22「オスプレイ」がある。
AW609の最大航続距離は1389キロメートルで、補助燃料タンクを増設すると2036キロメートルに伸ばせる。固定翼時の最大速度は510キロメートルを計画しており、約300キロメートルのAW139よりも速く目的地へ到達できる。
アグスタウェストランドでマーケティングを担当するジェームス・ワン上級副社長は7月3日、「ヘリの約2倍の速さで飛行でき、緊急搬送にも使える。東京から小笠原諸島まで、船では26時間かかるが、AW609なら2時間20分で飛べる」と、都内でアピールした。空港のない小笠原諸島では、急患や妊婦の緊急搬送手段が自衛隊のヘリなどに限られており、垂直離着陸できる同機を離島の足として売り込む。
AW609は1996年にベルとボーイングが共同開発を始め、1998年からはベルとアグスタが合弁会社ベル/アグスタ・エアロスペースを設立し、BA609として開発を進めてきた。その後、2011年にアグスタウェストランドの単独開発となり、名称をAW609に変更している。
客室の標準仕様は9席で、2017年にFAA(米国連邦航空局)の型式証明を取得後、2018年に引き渡し開始を予定している。最終組立は米フィラデルフィアと伊ヴェルジャーテで行う。機体価格について、ワン上級副社長は「機体サイズはAW139(15席)とほぼ同じ。AW139と比べて、25%から30%程度は上昇するだろう」との見解を示し、現時点で1機あたり20億円程度となる見込み。
一方、2000年代初頭の計画では、型式証明取得を2003年に予定していたことから、開発は大幅に遅れている。このため、機体価格はAW139と比較した場合、1.5倍から2倍の30億円程度に膨らむとの見方もある。
また、アグスタウェストランドでは、AW609を発展させた次世代の民間用大型ティルトローター機の開発も進めており、20-25席で2021年の初飛行を目指す。同社では今後の機体がすべてティルトローターになるわけではないとしており、ヘリとの住み分けを進める。
AW609は、ヘリコプターと同様に垂直離着陸でき、主翼の両端にあるプロペラの向きを上方から前方に変えると、固定翼機として飛行出来る。同様のティルトローター機として、米軍が運用中で陸上自衛隊が導入を決めた、軍用機のベル・ボーイングV-22「オスプレイ」がある。
AW609の最大航続距離は1389キロメートルで、補助燃料タンクを増設すると2036キロメートルに伸ばせる。固定翼時の最大速度は510キロメートルを計画しており、約300キロメートルのAW139よりも速く目的地へ到達できる。
アグスタウェストランドでマーケティングを担当するジェームス・ワン上級副社長は7月3日、「ヘリの約2倍の速さで飛行でき、緊急搬送にも使える。東京から小笠原諸島まで、船では26時間かかるが、AW609なら2時間20分で飛べる」と、都内でアピールした。空港のない小笠原諸島では、急患や妊婦の緊急搬送手段が自衛隊のヘリなどに限られており、垂直離着陸できる同機を離島の足として売り込む。
AW609は1996年にベルとボーイングが共同開発を始め、1998年からはベルとアグスタが合弁会社ベル/アグスタ・エアロスペースを設立し、BA609として開発を進めてきた。その後、2011年にアグスタウェストランドの単独開発となり、名称をAW609に変更している。
客室の標準仕様は9席で、2017年にFAA(米国連邦航空局)の型式証明を取得後、2018年に引き渡し開始を予定している。最終組立は米フィラデルフィアと伊ヴェルジャーテで行う。機体価格について、ワン上級副社長は「機体サイズはAW139(15席)とほぼ同じ。AW139と比べて、25%から30%程度は上昇するだろう」との見解を示し、現時点で1機あたり20億円程度となる見込み。
一方、2000年代初頭の計画では、型式証明取得を2003年に予定していたことから、開発は大幅に遅れている。このため、機体価格はAW139と比較した場合、1.5倍から2倍の30億円程度に膨らむとの見方もある。
また、アグスタウェストランドでは、AW609を発展させた次世代の民間用大型ティルトローター機の開発も進めており、20-25席で2021年の初飛行を目指す。同社では今後の機体がすべてティルトローターになるわけではないとしており、ヘリとの住み分けを進める。