10代で人工衛星打ち上げ!?遅れをとるデータサイエンス人材育成、巻き返しに挑む
国際科学教育協会(京都市伏見区)は、小学生から大学生までの10代若者が数百人規模で参画して人工衛星を打ち上げ、データ分析するプロジェクトを月内に始動する。2024年3月までの打ち上げで、三井物産子会社の三井物産エアロスペース(東京都千代田区)と契約を結んだ。教育目的の人工衛星打ち上げは世界でも珍しいという。体系的に高度な知識を学べる場をつくり、海外に比べ後れるとされる実践的なデータサイエンス人材育成で巻き返しを図る。
【あわせて読む】人工流れ星のALEと考えるコロナ後の働き方国際科学教育協会は月内にも小型・軽量の人工衛星を設計・製作する若者を数十人規模で募集する。2021年に作業に着手する。電波法や宇宙法ほか書類申請なども体系的に学ぶ。データ分析のプロセスでは数百人規模の若者の参加を想定する。参加は有料。
自動車メーカーなどが実際に利用する数値解析ソフトウエア「MATLAB(マトラボ)」の使用法をリモートで教育する。プロジェクトに参加する全国各地の若者が、衛星から送られる物理データや画像データを解析できる体制にする。
国際科学教育協会は、産業界が求める人工知能(AI)・データサイエンス人材の育成を目的に、プログラミングやロボットなどの教育、イベントを全国展開する団体。一部エリアではジュニア層の企業へのインターンシップも実施している。
北原代表は「(世界規模で)高度なプログラムを組むジュニアやティーンエージャーが台頭している。より高いレベルの教育機会を与えられていないことが日本の課題」と指摘する。
同協会は19年から20年にかけて、観測装置を搭載したスペースバルーンを成層圏に飛ばし、データを分析するジュニア向けプロジェクトを実施。現在は同じくジュニア向けで、滋賀県・琵琶湖の水質検査・分析プロジェクトを進行中で観測装置の設計を進めている。