ベビー・子ども用品の西松屋がPBを自社ECサイトで展開へ、販売比率の1割目指す
ベビー・子ども用品を扱う西松屋チェーンは電子商取引(EC)事業をテコ入れする。EC向けの配送センターを現在の2カ所から1カ所に減らし収益向上を図る。2021年夏には商品を拡充し、自社専用サイトで販売を始める。コロナ禍の巣ごもり需要を受け、EC事業に注力する。20年2月期に全体売上高比で2%程度だった同事業の割合を早期に10%まで引き上げる。
西松屋は05年にインターネット通信販売を開始。当初はEC市場が大きくなるのを見据えた実験的要素が強かった。その後、出店先のECモールを増やすことで、売り上げが拡大。20年2月期のEC売上高は35億円。ただ、利益が出ていないため、今を「再生の時期」(大村浩一社長)と定めて改革を進める。
配送センターの改革では茨城と兵庫の2拠点のうち、EC需要増が見込める茨城に集約し、人件費や在庫管理コストを削減する。大村社長は「しっかり利益が取れる形になったら(物流拠点を)2拠点目、3拠点目と増やしたい」と考える。
これまではECモールに出店してきたが経費がかかるほか、商品の取り扱い点数に制限があるなど課題があった。そこで自社ECサイトではベビーカーやおむつなどプライベートブランド(PB)商品の販売比率を高め、収益力を上げる。さらに店舗と同じく「気軽に買い物できる仕組みを作るのが重要」(大村社長)とし、顧客が見やすいECサイトの構築を心がける。
コロナ禍でネット販売が増えたものの、大村社長は「お店での買い物ニーズはある。ネットと店舗の両輪で伸ばす」との方針を掲げる。(姫路・村上授)
日刊工業新聞2020年9月25日