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柳田國男ゆかりの指定文化財に泊まろう!500冊に囲まれて読書三昧

兵庫県福崎町にある「大庄屋(おおじょうや)三木家住宅」が、指定重要有形文化財として全国で初めてホテルに活用される。「なつかしく、あたらしい、日本の暮らしをつくる。」をコンセプトに、複合型ホテル「NIPPPONIA 播磨福崎 蔵書の館」として宿泊やウェディング用として11月にオープン、レストランとBOOK CAFEは来春から営業を開始する。

「大庄屋 三木家住宅」は約300年前の江戸時代中期に建築された兵庫県指定重要有形文化財。建築当時の姿をよく残し、建築学的にも貴重な文化遺産である。主屋(表座敷)、副屋、離れ、内蔵、酒蔵、角蔵、など9棟の建物から構成され、主屋は宝永2年(1705)に建てられたことが判明している。

レック(兵庫県神戸市、代表取締役:高橋 泉)が運営する。副屋などの部分をホテルにリノベーションし、客室5室、レストラン8卓から構成される。現存を維持した主屋部分は、通常は三木家や地域の歴史を紹介する展示施設として公開しているが、ウェディング会場などとしての利用も可能。BOOK CAFEでは懐かしい風景を眺めながらお気に入りの本を読みふけり、シェフ自慢の料理を一品一品心ゆくまで味わって特別な時間を楽しめる。

また、民俗学者の柳田國男が三木家に11歳の時に預けられ、ここで膨大な蔵書に接して民俗学の礎を築いたと言われる。宿泊客にはそれを追体験してもらおうと宿にはテレビや時計は置かず、民俗学や空想の生き物など約500冊の本をセレクション。読書に耽溺してもらう。

過疎化や少子高齢化を背景に、文化財の継承が課題となるなか、2019年4月に改正文化財保護法が施行され、保存のために活用することの必要性に重きが置かれた。そのような社会背景を受け、県指定重要有形文化財「大庄屋 三木家住宅」をホテルとレストランに活用することとなった。

もとは三木家の人々が寝起きし、食事をしていた生活空間。このホテルで寝起きし、食事をすることで「暮らしの体験」を通じ、文化財的価値にふれることができる。自然豊かな風土と歴史の遺産に恵まれ、観光スポットとしても魅力を集めている福崎町に歴史を生かしたホテルを開業することで、滞在型観光を創出し、地域活性化を目指す。

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