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ファンとのよい関係醸す場所。吉乃川の酒ミュージアム醸蔵

ファンとのよい関係醸す場所。吉乃川の酒ミュージアム醸蔵

大正時代の建物を利用した「酒ミュージアム 醸蔵」(吉乃川提供)

日本有数の豪雪地帯の一つとして知られる新潟県長岡市。旧三国街道沿いに位置する同市中央部の摂田屋地区は酒蔵、みそ蔵、しょうゆ蔵など六つの蔵が所狭しと並ぶ“醸造の町”だ。

吉乃川(新潟県長岡市、峰政祐己社長、0258・35・3000)は、戦国時代の1548年(天文17)に創業した470年以上の歴史を持つ日本酒の蔵元。同社は2019年10月に観光施設「酒ミュージアム 醸蔵(じょうぐら)」をオープンした。

醸蔵の建屋面積は約750平方メートル。1923(大12)年に完成し、かつては瓶詰めや職人の寝泊まり場としての機能を持った「常倉(じょうぐら)」という建物で、国登録有形文化財に指定されている。昨今では酒製品の倉庫やイベント時のコンサート会場として利用していた。一方で「趣のある蔵だったため、建物を生かした新しい使い方をしようと考え、よりお客さまとつながるために改築してミュージアムとした」(吉乃川担当者)という。

日本酒づくりのイロハをパネルや過去使っていた道具の展示で伝える。これまで発売された製品ラベルやボトルも陳列する。自社だけでなく、摂田屋地区の歴史や長岡市の文化を学べるコーナーも設置。酒づくりを体験できるゲームコーナーも用意した。酒蔵の見学は行っていないが、「見学以上に面白いと思えるコンテンツを集めた。弊社のストーリーやこだわりを感じてもらいたい」(同)としている。

酒づくりを体験できるゲームコーナー(2019年10月撮影)

醸蔵という名称には「ファンと吉乃川でよい関係を醸す場所」との思いを込めた。「お客さまから『こんな場所ができてよかった』という声や『周辺地域から人の流れが変わった』と歓迎の声をもらっている」(同)。クラフトビールも醸造しており、施設内の「SAKEバー」で日本酒と一緒に楽しめる。今後も愛飲者、周辺地域とともに、よい関係性を醸し続けていく。

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当面は首都圏からの来館自粛や施設利用の制限を求めている。

【メモ】
▽開館時間=9時半―16時半▽休館日=火曜日(同日が祝日の場合は翌日)・年末年始▽入館料=無料(試飲は一部有料)▽最寄り駅=JR信越本線・上越線「宮内駅」▽住所=新潟県長岡市摂田屋4の8の12▽電話番号=0258・77・9910

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