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125℃の高温下でも作動!コイン型リチウムイオン電池、日本ガイシが車載向けに

日本ガイシは車載など向けのコイン型小型リチウムイオン二次電池「エナセラコイン」で、125度Cの高温下でも動作する超高耐熱タイプを2020年度内にも実用化する。すでに105度Cの高耐熱タイプを開発、9月に量産を始めるが、より過酷な環境下にも対応。車載向けでは自動運転などで小型電源のニーズが高まっており、迅速なラインアップ拡充で幅広いニーズに応える。

エナセラコインは独自開発した結晶配向セラミックス電極板を使用した半固体電池と呼ばれる電池。小型で耐熱性が高く、大量生産に向いているリフローはんだ付けで実装できる。自動運転向けセンサーなど、IoT(モノのインターネット)デバイス用電源として需要が増えている。耐熱温度を125度Cまで引き上げれば、ほぼ車載部品向けをカバーできるとみている。

日本ガイシは19年12月に動作温度が上限85度Cのエナセラコインを開発。さらに電極材料の改良などで、上限105度Cまで引き上げたタイプも製品化したばかりだ。

ただ車載向けでは、パワートレーンなどより高い耐熱性が要求され、電子部品でも耐熱125度C対応品への需要が拡大。そのため同電池でも耐熱性を強化することで、車載、産業分野などより幅広い用途でデバイス用電源として売り込む。

日刊工業新聞2020年8月24日

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