ニュースイッチ

コロナの影響大きく…中小企業の7%が廃業を検討

新型コロナウイルスが中小企業の存続に影響を与えつつあることが、調査結果に表れてきた。東京商工リサーチ(TSR)が実施した廃業に関する調査で、新型コロナの収束が長引く場合、中小企業の7・7%が廃業を検討する可能性があると答えた。時期については、45・1%が1年以内とした。大企業では、廃業を検討する可能性があると答えたのは、0・8%にとどまった。

TSRが同様の調査を実施するのは初めてで、新型コロナの企業への影響を測る一環で行った。6638社が回答した中間集計結果をまとめた。全体では、6・6%の企業が廃業を検討する可能性があると答えた。11日までの最終集計では、約1万5000社から回答を得られると見込む。

新型コロナの具体的な収束時期や廃業の定義は設けず、回答する各企業が抱くイメージに委ねた。中小は資本金1億円未満の5551社が回答した。

中小の7・7%が廃業の検討の可能性を示し、時期は45・1%が1年以内を想定とした。この結果について、TSRは「政府の廃業率調査と比べて特段多いわけではない」としつつ、「今後、新型コロナの影響が押し上げ要因になる可能性がある」とみる。

大企業が0・8%にとどまったことについては、「大企業は複数の事業を抱えていることが多く、それが新型コロナの影響を和らげている」と見込む。

中小の廃業検討時期として1年先以降では、13―24カ月が34・4%、25カ月以上は20・4%だった。

TSRは企業の倒産件数を集計しており、新型コロナの影響を受けた倒産件数もまとめている。

廃業についても新型コロナの影響を分析する狙いで、今回の調査を実施した。

日刊工業新聞2020年8月11日

編集部のおすすめ