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「月額580円の電球」、オンオフで家族をこっそり見守る

「月額580円の電球」、オンオフで家族をこっそり見守る

電気が長時間消えているなどの異変をスマホのアプリで察知できる

離れて暮らす家族の見守りは、電球で―。NTTレゾナント(東京都港区、楠木健社長、03・6703・6000)は、3月にIoT(モノのインターネット)サービス「goo of things(グーオブシングス)でんきゅう」の販売を始めた。通信機能を備えた電球を高齢者らの家に設置し、電球がついたり消えたりした履歴を把握することで、“さりげない”見守りの実現を図る。

見守る側はスマートフォンのアプリケーション(応用ソフト)を通じて、電気をつけたままの状態や電球のオン・オフがない状況が長いといった異変を察知できる。IoT電球は発光ダイオード(LED)により長期の利用が可能。通信機能が内蔵されており、難しい設定も不要だ。

日常的に使う道具や機器を活用した見守りサービスは存在する。他の事業者は電気ポットの使用状況を知らせたり、センサーが人の動きを一定時間検知できない時に通知したりする仕組みを展開してきた。

そこでNTTレゾナントはグーオブシングスでんきゅうの月額費用が580円(消費税抜き)である点を訴求。他社商材は2000―3000円程度が多いと指摘し、「圧倒的に安い」(パーソナルサービス事業部の桐山淑行担当課長)と胸を張る。センサーに基づく枠組みについては「見守りというより見張られているイメージ」だが、電球はそうした違和感が少ないとみている。

6月には青森県むつ市など複数の自治体を介して、最大1000個のグーオブシングスでんきゅうを住民に無償提供する取り組みも始めた。高齢者の見守りに関する課題の整理や知見の蓄積が狙いで、今後は自治体への提案も強化する方針。

同社は全地球測位システム(GPS)端末を活用して子どもの居場所を確認できるサービス「グーオブシングスいまここ」も手がける。高齢者向けのグーオブシングスでんきゅうとともに普及を推進し、IoTサービス全体のブランド力向上につなげたいところだ。(斎藤弘和)

日刊工業新聞2020年8月6日

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