東大院卒のリケジョが東京ディズニーランドの技術職で感じたやりがい
「パーク内の安全と安心に貢献したい」と話すのは、オリエンタルランド(OLC)の渡辺典子(35)さん。アトラクションのシステム開発やメンテナンスに携わる技術者だ。「業務の効率化を突き詰めていく。休止を伴う作業も期間を短縮すればゲストの喜びにつながる」とゲストへの思いを忘れない。
筑波大学第三学群工学システム学類で電磁力工学などを学び、東京大学大学院工学系研究科ではシステム量子工学専攻でデータをグループ分けする手法のクラスタリングなどを習得しました。将来はエンジニアになりたいと考えていたところ、幼い頃から好きだった東京ディズニーランド(TDL)、東京ディズニーシー(TDS)を運営するオリエンタルランド(OLC)の「技術職」に出会い、憧れの世界で自分の力を発揮しようと“夢の国”の門をくぐりました。
学生時代にはキャスト(アルバイト)の経験があります。その時に、アトラクションの操作機器のレイアウトなどをより良くしたいと思ったことから、入社後は改修担当を希望しました。憧れの会社に入り、配属先の希望がかなった一方、技術担当が少数部隊であることに驚かされました。ただ、最適な人員配置の調整なども任せてもらえるため、機械と向き合うだけでなく、広い視野で仕事できることに大きなやりがいを感じます。
2015年にTDSのローラーコースタータイプのアトラクション「レイジング・スピリッツ」の安全性を高めるため、アトラクションの休止を伴う改修作業を行いました。新たなプログラムが想定通りに動かず、再開時期に間に合うかどうか逼迫(ひっぱく)した状態が続きましたが、後輩がサポートしてくれて無事に作業を終えました。仲間の大切さ、そして作業効率の向上がゲストへのおもてなしにつながることをあらためて感じました。
小学校2年生の息子と3歳の娘が、OLCで働いている私のことを誇らしく思ってくれていることに、いつも励まされます。
(文=千葉・前田健斗、写真=高山基成)オリエンタルランド 技術本部アトラクション技術部アトラクション技術サポート グループリードエンジニア・渡辺典子(わたなべ・のりこ)さん