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バングラデシュなら病院の建物管理、ブルキナファソなら殺菌剤

JICA、途上国が求める技術をHPで公開。ODAを活用した中小企業の海外展開を支援
バングラデシュなら病院の建物管理、ブルキナファソなら殺菌剤

最近は農業での応募が増えている(モロッコで。JICA提供)

 
 **インタビュー/小林雪治JICA中小企業支援副室長
「現地政府機関とパイプを」
 JICAの中小企業支援事業に発足当初から携わる中小企業支援副室長の小林雪治氏に現状と課題を聞いた。

 ―どのような業種の応募が多いですか。
 「当初は環境、廃棄物処理、水浄化が多かった。途上国で具体的なイメージが湧きやすかったのだろう。しかし、最近は農業関連がダントツだ。日本は人口減少で食料需要が減る見通しの上、環太平洋連携協定(TPP)で輸入品との競合にさらされる。外に打って出なければという危機感が農業関係者には強いかもしれない」

 ―事業を通じて成功する企業の特徴は。
 「仮説がしっかりあり、途上国でどのようなビジネスをするのかストーリーが描けている企業は軌道に乗りやすい。またJICAの事業であることを有効活用し、現地政府機関とパイプを築いた企業もうまくいっている。例えば医療関連製品を売り込みたいなら、現地の保健省との関係づくりが欠かせない。実績のない企業には会ってくれない場合が多いが、JICAの事業と言えば会える機会は増える」

 ―それでも大企業によるインフラ開発のイメージがあるODAに中小企業が応募するのはためらうケースが多いと思いますが。
 「どのような企業も創業理念の中には社会を便利にしたい、社会に貢献したいという思いがあるはずだ。それを途上国でも実践するだけだ」

 ―今後の課題は。
 「希望がアジアに集中し、アフリカへの関心が薄いことだ。地理的に遠く、ハードルが高いと感じているのだろう。JICAの事業では現地の人を日本に招聘(しょうへい)することも可能だ。まずは日本にいながらアフリカと接点を持ち、段階的に現地への進出を試みてほしい」
(文=大城麻木乃)
日刊工業新聞2015年10月12日 中小・ベンチャー・中小政策面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
9割近くが何らかの形で現地に生産拠点を置く見込みというから驚き。日本の課題解決ビジネスが世界でも通用する可能性は、今後も広がりそうです。

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