食器・ドアノブなどに抗菌メッキ、生菌率99%減少
スワオメッキ(新潟県燕市、鈴木孝明社長、0256・66・2113)は、食器など手や口に触れるものをはじめ、幅広い分野での抗菌メッキ事業に本格参入する。金や銀などで抗菌処理する。これまでの美観に加え、抗菌機能を訴求して市場を開拓する。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため衛生意識が高まる中、事業の柱に育成する。
スワオメッキがステンレス板に独自ノウハウでメッキ加工。新潟県環境衛生研究所(新潟県燕市)においてインフルエンザウイルス、ネコカリシウイルス(ノロウイルス代替)を接触させ、4時間後の生菌率を確認した。金と銅などの合金であるピンクゴールドによるメッキの場合、99・9%減少。また、大腸菌、黄色ブドウ球菌では6時間後の生菌率は金メッキで99・3%減少し、銀メッキは生菌が検出されなかった。ピンクゴールドメッキは3時間で生菌が検出されなくなった。無加工では6時間で10倍に増殖した。これらの検証結果はホームページに掲載している。
抗菌メッキ事業はスプーンやフォークなどの食器、トング、おしぼり受け、キャッシュトレー、ドアノブなど手や口に触れるものをはじめとして、幅広く事業展開したい考えだ。安全・安心面から既存商品の価値をアップする加工としても訴求する。ブランドロゴマークを使ったブランディングにより、社会での同社の技術の認知を高める。
同社の2020年5月期の売上高は前期比24%減の1億3000万円。新型コロナの影響でホテルやレストラン向け洋食器の需要が減少したのが響いた。これをカバーするため、抗菌分野の開拓に乗り出す。鈴木康仁常務は「付加価値があると分かったので、当社の加工技術を社会に浸透させていきたい」としている。
日刊工業新聞2020年7月14日