JALとキリンの「リモート社会科見学」、工場見学のハードルが下がった?
新型コロナウイルスの感染拡大で各社の工場見学が休止となっている。こうした中、日本航空(JAL)とキリンビバレッジは日本マイクロソフトの技術協力を受け、家族と一緒に自宅で楽しく学べる「リモート社会科見学」を6月末に開催。通常の見学には参加できない未就学児や大人なども含め、計1万人が視聴した。
JALのリモート社会科見学では、羽田空港(東京都大田区)の格納庫で航空機を整備している整備士がマイクロソフトの複合現実(MR)端末「ホロレンズ2」を装着。マイクロソフトのオンライン配信機能「チームズ ライブイベント」を使って整備士目線の映像をライブ中継した。
キリンビバレッジは、湘南工場(神奈川県寒川町)で人気商品「午後の紅茶」を生産している様子をオンライン配信した。参加者による質問やコメントの送信が可能で、企業側との双方向のやりとりも実現。製造工程のイラストが描かれた「見学ノート」を特設ページから印刷することで、製造工程を理解しながらオンライン工場見学を楽しめるようにした。
リモート社会科見学は、3社が所属する働き方改革推進コミュニティー「MINDS(マインズ)」で生まれた。JALエンジニアリング技術部技術企画室の谷内亨氏は「コロナ禍が収束すれば通常の工場見学が中心になるが、リモートも定期的に行いたい」と前向きな姿勢を示す。
日本マイクロソフト製品マーケティング部の山本築プロダクトマーケティングマネージャーも「反響が大きく問い合わせは多い。チームズのライセンスがあれば1万人までの視聴が可能。さまざまな場面で利用できる」とリモート技術の可能性を語る。
JALがこれまで開催してきた工場見学は年間約14万人が参加するが、募集開始から1週間以内に予約の枠が埋まってしまうほどの人気ぶり。年齢制限もあり「参加したくてもできない」という声も多かった。新型コロナによりイベントがリモートになったことで「参加しやすさ」が格段に向上した。高速大容量通信が可能な第5世代通信(5G)の普及、MR機器の性能向上などデジタル技術の進展で、より臨場感のあるリモート見学が楽しめそうだ。
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