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コンテンツマーケティングで集客&売上UPに成功したECサイトに学ぶ3つのポイント

文=尼口友厚(ネットコンシェルジェ CEO)「Bows-N-Ties」顧客のネクタイの利用シーンを明確に想定

ドレスコードについて詳しく教えてくれるネクタイ専門ECサイト


 「Bow N Ties」は現在、3000種類以上の自社ブランド・提携他社ブランドのネクタイ、蝶ネクタイを取り扱っている。主なターゲットは結婚式に参加する際に必要なネクタイを探している人。ネクタイや蝶ネクタイの他、結婚式で必要なポケットチーフ、アスコットタイ、カフス、ネクタイピンを購入することができる。

 また、3000種類以上あるネクタイはカラーやパターン、素材、サイズから検索可能。細かい条件でネクタイを探すことができるのはネクタイ専門ECサイトならではだろう。「Bows N Ties」が際立っているのは、顧客のネクタイの利用シーンを明確に想定したコンテンツを作っているところだ。とりわけ力を入れているのが、結婚式のドレスコード、着こなしなどの豊富な解説を読むことができるコンテンツだ。

 結婚式、面接などを控えているとき、どのようなネクタイが相応しいのか、何か取り決めはあるのか……さまざまなルールが分からない人も多いだろう。そこで、「Bows N Ties」はそのような人のために、ネクタイを含む服全般のドレスコードについてかなり丁寧に解説している。たとえば、ドレスコードが夜の準礼装「Black Tie(≒タキシード)」の場合のドレスコードの説明、着用するタキシード、シャツ、蝶ネクタイ、靴の種類まで丁寧に説明している。

 その他、夜の正礼装「White Tie(≒燕尾服)」の場合について、葬式のドレスコードについて、さらにはネクタイの歴史といったコンテンツを充実させている。これらのコンテンツは顧客にとって大いに役立ち、それぞれのコンテンツが「Bows N Ties」のサイトの質を高め、集客に貢献しているだろう。

 また、「Bows N Ties」は自社ブログで度々コンテストを実施。どのネクタイの着こなしが良いのか、投票した人に商品をプレゼントする企画も頻繁に行っている。この企画はなかなか大きな反響があり、1000以上の「いいね!」を獲得した。

 その他、著名なブライダル関連のブログやメディアとのアフィリエイト提携やキャンペーンもあり、「Green Wedding Shoes」というブライダルをテーマとしたブログでは500ドル(約6万円)の商品引換券をプレゼントするコンテストなども行っていたようだ。

 「コンテンツ&キャンペーン」で顧客のファン化を促進

 顧客にとって有用な情報を提供するというのはなかなか難しいことだが、「Bows N Ties」は、顧客の利用シーンを想定したコンテンツを用意し、発信する情報と利用層を絞ることで、集客につなげていることが分かる。

 なお、結婚式関連のコンテンツを拡充するに至ったのは、「Bows N Ties」が一度痛い目にあったことかきっかけだそうだ。「Bows N Ties」は強引なSEOがきっかけで、2012年4月にGoogleの検索エンジンに悪質なサイトと判断され、検索の上位に上がってこない状態となった。そのため、一気に売り上げが落ちてしまったという。

 その経験をもとにマーケティング方針を真剣に見直し、現在のような顧客にとって本当に役立つコンテンツを配信。それが成長につながっているようだ。

 コンテンツの配信だけでなく、顧客が参加できるキャンペーンを高頻度に実施していることにも注目したい。実際、コンテンツ配信だけでは「顧客のファン化」はなかなか進まない。そこで、参加型のキャンペーンをコンスタントに打ち出し、そこでファン化をぐっと進めている、というわけだ。
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
コンテンツマーケティングという言葉が使われはじめて1~2年になる。まだCが中心だが、これからBツーBも日本で注目されるようになる。参考になる部分も多い。

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