三井化学が開発、人の体温で自己粘着するシートの仕組み
三井化学は23日、人の体温でシート同士が引っ付く粘着シート(写真)を開発したと発表した。指や手首に巻くだけで、簡単に体にフィットする。面ファスナーの代替やインナーやシューズなどの衣料、時計やオモチャなどの服飾雑貨、ウエアラブルセンサーなどの用途を想定する。今後、マーケティング活動を本格化させる。
人の体温によって自己粘着性を発揮する理由は、シートを構成する樹脂が劇的に軟化する温度(ガラス転移温度)が室温と体温の間にあるため。同シートにはもともと弱い粘着性があり、体温で柔らかくなると、粘着性が増してシート同士がぴったりと引っ付く。
衛生的で、何度も繰り返して貼ったり剥がしたりできる。接着面が平滑なため、面ファスナーと比べて接着面へのゴミの付着や、着脱時に音が出るといった課題を解消できる。
三井化学は、新型コロナウイルス感染症後、体に装着するデバイスの需要が増加すると想定し、関連製品群を強化している。
日刊工業新聞2020年6月24日