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三菱「国産ジェット」、チーフエンジニア交代の狙い

開発体制縮小の一環

三菱航空機(愛知県豊山町、丹羽高興社長)は15日、開発を進める小型ジェット旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」のアレキサンダー・ベラミー最高開発責任者が6月末で退任すると発表した。チーフエンジニアに川口泰彦氏が7月1日付で就任する。MSJ開発体制縮小の一環。

ベラミー氏は2016年に就任しMSJ開発を統括してきた。今後同職は空席とする。川口氏はMSJの米国での飛行試験で中心的な役割を果たしてきており、今回新設するチーフエンジニアとして今後の開発を統括する。

MSJは2月に6度目の納入延期を発表。三菱重工は関連の開発費負担などで20年3月期連結決算で295億円の事業損失を計上。21年3月期に20年ぶりの当期赤字を回避するため、MSJの開発費と人員体制を半減する。

MSJ開発は標準機の「M90」の型式証明取得に絞り、3カ所ある米国開発拠点も1カ所にする。

日刊工業新聞2020年6月16日

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