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360度画像に動画配信 “ウィズコロナ”で需要急増!

360度画像に動画配信 “ウィズコロナ”で需要急増!

VRを活用して不動産物件などを紹介する“バーチャルツアー”が人気

不動産バーチャル内見

リコーの全天球カメラ「シータ」で撮影した360度画像で仮想現実(VR)コンテンツを制作・公開できる法人向けクラウドサービスの販売が日本と米国で好調だ。7000社超が導入している日本では、4月の問い合わせ件数が通常比10倍に増加。米国でも4月末時点の導入企業数が前月末比約9割増の1900社に増えた。新型コロナウイルス感染拡大で外出自粛が続く中、自社サイトで製品を紹介する企業からの引き合いが大幅に増えている。(張谷京子)

「シータ360.biz」は、ワンショットで空間全体を撮影可能。撮影した画像を選択するだけで360度コンテンツを作成でき専用アプリケーション(応用ソフト)でアップロードもできる。マンションの間取り図に360度画像を組み込んだり、360度画像を疑似的につなげて移動するように見せたりできることから不動産会社の導入が多かった。

新型コロナの影響でオープンハウスやモデルルームの実施が難しくなったことから、米国ではオンラインで物件紹介が可能なバーチャルツアーの導入が急速に進んでいる。この結果、リコーが米国で展開するバーチャルツアー作成サービスの契約数は3月後半以降、通常時の30倍のペースで増えているという。

日本では、不動産に加え、中古車や建設現場、教育施設、観光地などの見学向けに引き合いも増えている。稲葉章朗データサービス事業開発部長は「業界を問わずサービスの価値を提供していきたい」と意気込む。

例えばオープンキャンパス開催が難しくなった大学や専門学校が導入すれば、360度画像を用いたバーチャルオープンキャンパスを開催できるようになる。ウェブ予約を展開するレンタカー業者も車内の360度画像を自社サイト上で公開することで、顧客がレンタルしたい車をよりイメージしやすくなる。

今後は欧州など他地域への展開も検討している。2022年度までに全世界で30万社への提供を目指す。市場が成熟化したOA機器からデジタルサービス会社への脱却を目指すリコーの変革の一翼を担うことになりそうだ。

日刊工業新聞2020年5月13日

日本テクノソリュ、ウェブ上で“展示会” 動画発信のサイト開設

【神戸】日本テクノロジーソリューション(神戸市中央区、岡田耕治社長、078・304・4439)は、新たなセールスプロモーションの場として「ONLINE EXPO(オンラインエキスポ)」サイトを開設した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で展示会の中止や延期が相次ぐ。大型イベントの変更などで従来通り営業活動できない企業に対し、ウェブ上で新たなセールスプロモーションの場を提供する。

同サイトは掲載企業の商品紹介や内覧会リポート、展示会出展ブースの撮影動画などを発信する場の三つのパビリオンを用意。自社スタッフで動画を撮影、制作、リポーターを通じて第三者目線で取材していくのが特徴。掲載料は商品紹介(約5分間程度の動画)の場合、年間5万円(消費税抜き)となる。

内覧会リポートは同社が派遣したリポーターや撮影クルーが掲載企業に訪問。リポート形式で撮影した製品やサービス、生産現場などを動画で紹介する。

また展示会出展ブースの撮影動画は既存の「展示会PRESS」サービスで撮影した動画を活用する。同サービスは展示会の出展企業のブースを女性リポーターが訪れて、製品やサービスの特徴を取材する。取材後は3分程度に編集し、プロモーション用ビデオにして提供する。同撮影動画を同サイトで公開できる。今後は生中継による配信サービスなども予定する。

同社はシュリンク装置など包装機械事業や放送企画事業などを展開。放送企画事業ではビジネステレビ番組「ものづくりの挑人たち」などの企画制作などを手がけており、同ノウハウを同サイトに生かした。

日刊工業新聞2020年4月7日

新型コロナに負けるナ!「開催予定だった展示会」特集

日刊工業新聞2020年4月7日、5月13日

特集・連載情報

【withコロナ】webで製品の魅力を届ける企業たち
【withコロナ】webで製品の魅力を届ける企業たち
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、製造業における見込み客の獲得に変化が起きている。これまでは展示会で新製品をアピールをし、見込み客を獲得していく営業手法が一般的だったが、webの強みを活かした営業スタイルへとシフトする企業も。時代の流れを捉える企業たちをご紹介する。

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