ニュースイッチ

有人・無人でモードを使い分け、紫外線&空気循環で空間の細菌を消毒!

サンエナジー(大阪府箕面市、梅景弘和社長、072・720・6333)は、紫外線を使って直接照射と空気循環の2通りで細菌を消毒するハイブリッド式感染空間急速消毒設備「サンステリアTT406N」を6月に発売する。主に病院や高齢者施設向けで、空気循環での運転時は人がいても稼働する。消費税抜きの価格は1200万円。年間100台の販売を目指す。

サンエナジーはこれまで紫外線の直接照射、空気循環単独の製品を手がけており、ハイブリッド製品は今回が初。装置本体のサイズは幅1200ミリ×縦1970ミリ×奥行き290ミリメートルで、重さは160キログラム。

装置には観音開きの扉があり、中に6本の紫外線ランプを搭載する。部屋を直接照射する場合は、無人空間で扉を開けたまま紫外線を照射する。扉を含む装置内部には鏡が備わっており、扉の角度を変えるなどで広範囲に光が届くようにした。装置には人感センサーが5カ所あり、人を感知すると停止する。

診察室や待合室など有人の空間では扉を閉じた状態で装置下部から室内の空気を吸引し、空気に紫外線を照射することで消毒した空気を上部から排出。運転モードはボタンで切り替えられるほか、装置には移動できるようキャスターを付けた。

サンエナジーは紫外線ランプ単体での基本性能として、黄色ブドウ球菌や枯草菌芽胞、インフルエンザ、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対して、紫外線の不活化効果を確認済み。

新製品を用いて共同研究先の病院個室で実証試験したところ、30分間直接照射モードで運転した場合、空間に漂う枯草菌芽胞数を運転前の100分の1以下へ減らせた。さらに、その後の空気循環モードでは運転中24時間で菌の数を増やさず状態を維持できたという。

サンエナジーは石英製品を作るヒメジ理化(兵庫県姫路市)のグループ会社。

日刊工業新聞2020年5月28日

編集部のおすすめ