新材料の開発に期待、「予想外」見つけるAIの仕組み

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理化学研究所や物質・材料研究機構の研究グループは、研究者の予想や想定ができないような例外物質を発見する人工知能(AI)を開発した。同AIを利用し、例外的な特性を持つ化合物を複数発見し、実験的に特性を確認できた。今までにない新材料の開発や科学分野の例外的事象の探索に役立つと期待される。

AIによる新物質や材料の設計が盛んに行われている。だが既存のAIでは研究者が望む特性をあらかじめ設定し新材料を開発しているため、研究者の想像を超える例外的な物質を探しにくかった。

研究グループは、機械学習を組み合わせ、例外の度合いを数値化し例外的な物質を効率的に発見するAI「BLOX(ブロックス)」を開発。すでに特性が分かっている物質のデータベース(DB)と機械学習を利用し、未知物質の特性を予測。未知物質の予測特性分布から外れたものが例外的物質と期待される。

ブロックスを利用し、創薬用の市販分子DBの中から例外的な光吸収特性を持つ化合物を探索し、分子の候補を発見。その中で8個の分子候補を準備し、光吸収特性を実験した。低分子量のほとんどの有機化合物は250ナノ(ナノは10億分の1)―450ナノメートルの光を強く吸収することが知られているが、8個の分子候補は250ナノメートル以下もしくは450ナノメートル以上の波長の光を強く吸収する例外的な特性を持つことを確認した。色素や有機太陽電池などの機能性材料に使える可能性がある。

成果は28日、英科学誌ケミカル・サイエンス電子版に掲載された。

日刊工業新聞2020年5月29日

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