後継スパコンのプレ体験できます!計算科学振興財団が「ミニ富岳」導入
計算科学振興財団(神戸市中央区、秋山喜久理事長、078・599・5020)は、2020年上期に富士通製のスーパーコンピューター「FX700」を8台導入する。同スパコンは「京」の後継機の「富岳」と同じ中央演算処理装置(CPU)を採用し、「ミニ富岳」とも呼ばれる。富岳は21年頃に同財団に隣接する理化学研究所(神戸市中央区)で供用開始予定で、それまでの準備や産業、学術など幅広く活用してもらう。
ミニ富岳は同財団内に4月中に2台の供用を始め、今夏をめどにさらに6台の供用開始予定。富岳と同様のCPUを採用し「京」の演算処理能力に比べて高い。富岳は京の後継機で京に比べ最大100倍の計算性能で世界最高水準の実用性を目指している。
同財団は理化学研究所に隣接する。理研の京が19年8月に運用停止し、21年ごろに富岳の供用が始まる間にミニ富岳でいち早く富岳の使い勝手を体験してもらう。ミニ富岳の従量利用料金は1時間当たり100円(消費税抜き)、1日の占有利用料7200円(同)と安価に設定。事前の引き合いは多いという。
同財団は理研の京をはじめとするスパコンの産業利用の促進を目的に、兵庫県や神戸市など産学官で08年に設立された。京の入門的なスパコンを410台保有する。年間200回強の講習会や同400回強の企業を訪問。中小企業の活用を促進し、11年の供用開始から累計325社が利用している。これにミニ富岳が8台加わる。
日刊工業新聞2020年4月17日