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【新型コロナ】パナソニック、キヤノン、ソニー...電機大手は中国依存の供給網見直し急務

【新型コロナ】パナソニック、キヤノン、ソニー...電機大手は中国依存の供給網見直し急務

パナソニックの津賀一宏社長(左)とソニーの吉田憲一郎社長

電機大手は新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、中国依存のサプライチェーン(供給網)見直しが急務だ。中国製部品の供給が不安定化するほか、生産委託先の中国で組み立て作業などに支障が出るケースも少なくない。政府・与党が4月に策定する緊急経済対策では、産業界にとって供給網見直し支援が目玉の一つとなりそう。未曽有の危機をきっかけに、業界を挙げたサプライチェーンの強靱(きょうじん)化が求められる。

パナソニックは、ノートパソコン「レッツノート」の一部商品で在庫切れが生じた。新型コロナの影響で必要な部品入荷時期が不透明になり、パソコン製造に支障が出ているためだ。パソコン生産は主に国内工場で行っているが、中国から部品調達が滞る事態はサプライチェーン管理の盲点だ。

キヤノンは国内で2週間休止していたデジタルカメラ生産を16日に再開した。中国からの部品供給が以前より安定してきたほか、他国・地域からの代替調達にも取り組んだ。ただ、新型コロナが世界的に拡大しており、当面綱渡りの状況が続きそうだ。

ソニーはマレーシアのテレビ工場などを31日まで閉鎖する。現地政府が新型コロナ対策の一環として工場休止を指示したという。今後、テレビ販売に影響が出る可能性がある。

電子デバイスメーカーもサプライチェーンの中国依存は大きな課題だ。ジャパンディスプレイ(JDI)は主に中国の自社工場と生産委託先で液晶パネル製造の後工程を行っており、新型コロナの影響を受けている。主要顧客の動向を注視しながら、供給網の見直しを進める必要がある。

電機業界は人手のかかる組み立て作業などで生産委託を多用しており、それがサプライチェーンを複雑にしている。

日本の自動車業界のように系列化をしておらず、新型コロナのような問題が発生した際は状況把握に時間を要しがちだ。ただ、今後電機大手の間でも中国依存のサプライチェーン見直しの機運が高まるのは必至だ。



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日刊工業新聞2020年3月23日

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