【新型コロナ】阪大グループのワクチン開発に参画する自動車部品メーカー
ダイセル、新デバイス提供
ダイセルは13日、新型コロナウイルスのDNAワクチン開発に技術参画すると発表した。大阪大学発の製薬ベンチャーのアンジェスと同大学、タカラバイオが共同で取り組むワクチンの開発チームに協力していく。ダイセルが開発した、細胞内へ薬剤を送り届ける投与デバイス「アクトランザラボ」を提供する。同チームではワクチン開発から製造まで一貫したプロセスで、今後6カ月以内の臨床試験開始を目指す。
アクトランザラボは火薬を駆動力とする針がない投与デバイス。ダイセルの主力事業である自動車エアバッグ用インフレーター(ガス発生装置)などに使う技術を応用し開発された。従来の針を用いた注射器よりも正確に細胞内に薬剤を送ることができ、遺伝子発現効率や抗体産生力を高めることが期待される。ワクチンが体内に入り効果を発揮するため、独自の薬剤送達技術で開発への貢献を目指す。
現時点でアクトランザラボは動物実験用でしか使用されていない。このため、ワクチンが完成するまでにヒトへの応用ができるよう、研究開発を加速させる。
日刊工業新聞2020年3月14日