中国台頭で国内再編急ピッチ―総合化学メーカーの創業地は今
三菱化学、旭化成、三井化学、住友化学。四社の取組みに見る
三井化学/福岡・大牟田市−メガネレンズ材料生産
三井化学も創業103年を迎えた大牟田工場(福岡県大牟田市)で独自製品への投資を決めた。薄くて軽いメガネレンズ材料として需要増が続くメタキシリレンジイソシアネート(XDI、年産能力5000トン)の生産設備を建設中で、年内の稼働を見込む。三井化学は電子制御メガネなどヘルスケア事業、自動車部材、食品包装の3事業の拡大を収益源に据える。弾性や耐久性に優れた自動車部材用ポリウレタンエラストマー材料などを生産する設備(年産能力2000トン)も16年8月に大牟田工場で稼働する予定。
採算悪化が続くポリウレタン原料MDI生産設備(年産能力6万トン)を16年に停止するが、成長3事業の拡大投資が今後も期待できそうだ。
住友化学/愛媛・新居浜市−マザープラントに
住友化学の創業の地である愛媛工場(愛媛県新居浜市)は、営業開始から100年を迎えた。同工場に2基あるCPL生産設備の1基(年産能力9万5000トン)を年末をめどに停止する一方で、隣接する大江工場でリチウム二次電池用セパレーター(絶縁材)の能力増強が決まった。韓国で17年にも稼働するセパレーター工場のマザープラントと位置づける。
愛媛工場でもポーランドに年産100万個の工場を作ったディーゼル車向け排ガス浄化装置のマザープラントを建設した。海外進出を果たした有力製品のマザープラントとしての役割を今後も果たすことになる。
(文=水嶋真人)
日刊工業新聞2015年09月24日 素材・ヘルスケア・環境面