昨年の乗用車生産は8年ぶり減少、トヨタグループだけプラスの明暗
中国や東南アジアが鈍化、トヨタは国内生産上向く
乗用車メーカー8社がまとめた2019年の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年比3・9%減の2780万813台となり、8年ぶりに前年比を下回った。国内生産は微減だったことに加え、中国や東南アジアの市場が鈍化したことが響き、海外生産も減った。特に中国は新型コロナウイルスによる肺炎の影響が長期化すれば、20年の生産・販売が減少する可能性がある。
国内生産は同0・3%減の921万5476台だった。トヨタ自動車は2年ぶりに前年を越えた。セダン「カローラ」やスポーツ多目的車(SUV)「RAV4」の生産が輸出向けで好調だった。ダイハツ工業も新車投入により生産が増えた。一方、スズキは4月に発覚した完成検査不正の影響で3年ぶりに減少。三菱自動車は輸出向けの生産が落ち、3年ぶりに減少した。
海外生産は同5・6%減の1858万5337台だった。日産自動車が米国やメキシコなどで生産が落ちたほか、中国は5年ぶりに減少した。マツダも海外の主要拠点で生産が減少した。一方、SUBARU(スバル)はSUV「アセント」の生産が増え、海外生産として過去最高だった。ホンダは欧州やインドなどで生産が減ったものの、中国の生産は過去最高を更新した。
19年12月単月の世界生産は前年同月比5・4%減の205万6283台となり、5カ月連続で減少した。国内外で生産が減少した。
日刊工業新聞2020年1月31日