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敏感肌の人が増えている?化粧品市場でケア製品拡大

花王、資生堂のブランド展開

化粧品業界において、敏感肌向け化粧品市場が急速に拡大している。花王の調査によると、年々自分が敏感肌だと答える人の数は増えており、2018年は00年比1・4倍の人数にのぼった。現在、700億円規模といわれる市場だが、敏感肌と感じながら通常品を使っている層に訴求できれば、拡大が期待できる。また近年は、海外でも日本の敏感肌向けスキンケアブランドが人気になりつつある。各社、国内外で普及に挑む。(門脇花梨)

花王 乾燥気になる人に焦点

40年間に及ぶセラミド研究の実績がある花王は、この蓄積を生かし、敏感肌向けブランド「キュレル」を展開している。セラミド機能成分を配合しており、肌のうるおいを守るセラミドを洗い流さず、働きを補う設計だ。1999年に発売し、現在はボディー、ヘアケアの製品もある。品目数は67に及ぶ。18年には99年比で約6倍の売り上げを記録した。

花王が発売する「キュレル」。敏感肌市場で定番品となりつつある

花王コンシューマープロダクツ事業部門キュレル事業部の松倉申之介ブランドマネージャーは「59品目は肌荒れを防ぐ機能で、医薬部外品の承認を得ている。敏感肌の中でも、乾燥が気になる人に焦点を絞った」と明かす。09年から海外でも展開し、中国などアジアの7地域で人気がある。19年には欧米の2地域へも展開し始めた。

花王の子会社、カネボウ化粧品も敏感肌向けに「フリープラス」を販売している。18年には前年比1・6倍の売り上げを記録した。売り上げの8割は海外で、特に中華圏での販売が好調な“日本生まれ、海外育ち”のブランドだという。海外における敏感肌向け化粧品へのニーズの高さを証明した格好だ。

19年からはタイやミャンマーなどの東南アジア諸国連合(ASEAN)地域でも販売している。敏感であることを肯定的に捉える戦略で、敏感肌向け化粧品を普及させていく。

資生堂 低刺激でやさしくケア

資生堂は「時々敏感肌と感じる」女性に向け、スキンケアブランド「dプログラム」を展開している。低刺激で肌を守りながらはぐくむ設計だ。同社によれば99%の女性が「自分の肌は時々敏感になる」と感じており、潜在的な成長性は高い。

資生堂が発売する「dプログラム」。ミューズを務める広瀬すずさん(右)とブランドマネージャーの河合有起さん

資生堂ジャパンプレミアムブランド事業本部スキンケアマーケティング部の河合有起dプログラムジャパンブランドマネージャーは「昔は敏感肌をケアする化粧品を探したが、今は使いたいモノで敏感肌をケアする時代。やさしくて安全な上、楽しくケアできる製品にしたい」と意気込む。4月には中国でも発売し、環境汚染などで高まる敏感肌向け化粧品へのニーズの獲得を狙う。

人々を取り巻く環境が劇的に変化する中で、肌も大きな影響を受けている。美容だけでなく健康の観点でも敏感肌のケアは重要だ。老若男女のニーズが見込める敏感肌向け化粧品の成長は始まったばかりだ。

日刊工業新聞2020年1月28日

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