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地下鉄「顔パス」、大阪メトロ社員1200人が登録した実証の中身

地下鉄「顔パス」、大阪メトロ社員1200人が登録した実証の中身

大阪市内の地下鉄に設置された顔認証の次世代改札機

日本信号は大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)が行う「顔認証を用いた次世代改札機の実証実験」に参加した。大阪メトロ堺筋線の動物園前駅北改札口に対象機器を設置した。9月までの間、モニターの大阪メトロ社員が登録した顔写真を利用して顔認証判定を行う。日本信号は実験参加を通じて顔認証や次世代改札機の実用化に向けた課題やデータを蓄積し、将来の展開に備える。

大阪メトロの次世代改札機実験は、日本信号のほか、オムロンソーシアルソリューションズ(東京都港区)、高見沢サイバネティックス、東芝インフラシステムズ(川崎市幸区)も参加している。4社がそれぞれ異なる駅に、顔認証カメラを備えた次世代改札機を取り付けた。

モニターの大阪メトロ社員は1200人強おり、事前に顔写真データを登録。駅に入る際、改札機に備え付けたカメラで顔をとらえて顔写真データと照合、合致したとみなせば改札機のゲートを開ける。顔認証精度とともに、通勤ラッシュ時などに渋滞とならぬよう、処理速度の速さが求められる。

大阪メトロの改札機実験では運賃支払いなどの料金決済は行わない。顔認証が普及すれば定期券やスマートフォンをかざす手間がなくなり、スピード通行ができる。

日刊工業新聞2020年1月13日

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