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工作機械の受注予測、今年は「微減で底打ちは年前半」は本当か

日工会が1兆2000億円の見通し

日本工作機械工業会(日工会)の飯村幸生会長(東芝機械会長)は9日、2020年(暦年)の日本メーカーによる工作機械の受注高を1兆2000億円とする見通しを明らかにした。足元で月800億円台と低水準の市況が年前半に底打ちし、緩やかに回復する見立てだ。19年の受注高は前年比約3割減の1兆2000億円強にとどまったとみられ、20年は19年比で微減と2年連続の減少となる。

20年は、米中対立が“一時休戦”の様相を示すも、中国経済の減速や、年明け早々に新たな火種となった中東情勢を背景に原油価格の高騰や円高進行が懸念される。設備投資意欲を減退させる材料は少なくない。

また企業の収益に直結する為替は、円高が設備投資を減らす重大要素。8日に3カ月ぶりに1ドル=107円台になった為替相場は9日に同109円台と乱高下しており、先行きも不透明感が漂う。

ただ、日工会はこれらの先行き不透明感による市況の停滞が20年前半に解消されると見込む。加えて喫緊の課題である、人手をかけずに品質を安定させる自動化や工程集約、生産性向上のための設備需要が、年後半に向けて創出されると見込んでいる。

業界では20年に予測する1兆2000億円の受注高について「控えめ」「妥当」「強気」と各社の首脳の意見が分かれた。

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