ロボットにはどんな種類がある?簡単におさらいしましょう
日本ロボット工業会と日刊工業新聞社は12月18日から21日まで東京・有明の東京ビックサイトで、世界最大のロボット専門展「2019国際ロボット展」を開催します。ロボット展に併せ、ニュースイッチ編集部ではロボットの基礎知識を紹介します。今回は、ロボットの種類や活躍している分野について見ていきましょう。
私たちの身の回りはロボットの活躍でとても便利になりました。その活躍の範囲は多岐にわたり、お掃除ロボットの「ルンバ」や店頭で見かける人型ロボット「Pepper(ペッパー)」など、すでに名前が広く知れたものから、普段私たちの目には触れない産業ロボットなど、様々な種類が存在します。 ここではロボットについて、「産業」「インフラ」「医療福祉」「サービス」の4つのカテゴリーに分け、ロボットが各分野でどのように活躍しているのかを紹介します。
産業用ロボット
日本では産業用ロボットは自動車から電機や科学、食品まで広い業種で利用されています。自動車産業から始まった産業用ロボットは、そこから様々な工程に進出し、機械や電子・電機機器の生産などあらゆる分野で当たり前のように見られるようになりました。垂直多関節ロボット、水平多関節ロボット、直行ロボット、双腕ロボットなど、目的別に特徴を持ったロボットがあります。
近年、産業用ロボットで特に専門的な作業をしているのは食品業界のロボットです。食肉の骨を取り除いたり、食品を盛り付けたりといった、細かい作業を得意としています。
人と同じ現場で作業して協働できるロボットも開発され、人件費削減や重労働軽減に向け需要が高まっています。
インフラ を守るロボット
インフラの老朽化が問題視される中、橋梁やトンネルの保守点検など、巨大なインフラを隅々まで調査するロボットがたくさん登場しています。点検車両が通行できない場所や人が行けないような場所も、ロボットを用いることによって点検できるようになりました。警備・災害対応・宇宙・海洋など、様々な場面で私たちの生活はロボットとヒトの力で支えられています。
人手不足に悩まされている農業でもロボットは取り入れられはじめ、将来的には田植えの自動化もできるかもしれません。
農業と同様に人手不足が深刻化している建設業界でも溶接作業や物資運搬など建機の分野でロボット化は進行しています。
医療・福祉分野のロボット
医療分野で注目されているのは手術支援ロボットです。医師は手術ロボットの鉗子の先端に取り付けられたカメラの映像を見ながら、遠隔操作によって手術を行います。人が直接行う全開手術と異なり、8-12mmの穴を開けるだけで手術ができますそのため出血が極めて少なく済み、手術中に輸血を行うケースはほとんどないそうです。
病院内搬送ロボットは看護師の代わりに医薬品や検体を搬送します。ロボットが治療や看護に付帯した様々な業務を担うことによって、看護師は患者に向き合う業務を効率的に行えます。
介護の負担を軽減するロボットもたくさん存在し、介護支援・食事支援・排泄介護総合支援・ホームアシスタントロボットなど、目的別に細分化されて導入され始めています。
サービスロボット
近ごろでは会社の受付や飲食店など様々なシーンでロボットが接客している様子を見かけます。代表的なものといえば、ソフトバンクのペッパーです。「感情認識機能」の搭載によって、相手の表情や声から感情を察することができます。
人と一緒に行動し、会話や感情の交流を図るロボットはコミュニケーションロボットもしくはパートナーロボットと呼ばれています。人間との会話を完全に理解しようとするのではなく、人間のようなある意味「いい加減さ」を取り入れることによって、総合的な表現力でコミュニケーションを成り立たせることが可能になりました。
ロボットが身近になった今、そのニーズは多様化しています。新たなロボットの登場は社会そのものを大きく変えていくのかもしれません。今後ロボットは、ますます人間の生活に欠かせないものになっていくでしょう。
ロボット展では、今回紹介したロボット以外にも様々なロボットが展示されています。あまりロボットを身近に感じたことがない方も、是非一度ロボット展に訪れてみてください。最先端のロボットたちを目にすることができます。
次回以降は、産業用ロボット、要素技術、人工知能、サービスロボット、インフラ・災害ロボットについて詳しく紹介します。
「2019国際ロボット展」特設サイトhttps://biz.nikkan.co.jp/eve/irex/
<お知らせ>
国際ロボット展公式アプリが登場! 参考文献
「トコトンやさしいロボットの本 」日本ロボット工業会 監修、日刊工業新聞社、2015年
「超ロボット化社会 」新山龍馬、日刊工業新聞社、2019年