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【動画あり】日産新社長の素顔はクルマが大好きなコミュニケーター

内田氏が就任後、初の会見

日産自動車の社長兼最高経営責任者(CEO)に1日付で就任した内田誠氏(うちだ・まこと=53)。仏ルノー、三菱自動車とのアライアンス(企業連合)について「日産の重要な競争力」と指摘し、「まずは3社の収益向上にアライアンスをどう活用するかという短期的なテーマに集中する」と方針を示した。「独立性を保持する」とも述べ、経営統合には消極的な考えを示した。

 

また「今の日産は厳しい状況にある」と語気を強め、社内で丁寧に議論を進めることで業績回復など抱える課題を解決していく考えを打ち出した。その中で特に課題とするのが「できないことをできるとする目標設定の過程だ」と話した。日産の強みについて「社員と技術」とも話し、「これらを伸ばすことが使命」と語った。足元では信頼回復と業績立て直しが課題。「前経営陣がつくった基礎を着実に実行していく」とし、生産合理化などによる固定費削減と、電気自動車(EV)などの新型車投入による成長戦略をセットにした構造改革を推進する考えを示した。10年後の日産の姿としては「技術を進化させるべきだ」と語り、技術へのこだわりを覗(のぞ)かせた。

初めて買ったのは「フェアレディZ」

 

元会長カルロス・ゴーン被告が逮捕され、経営を引き継いだ西川広人氏も報酬不正問題で社長兼最高経営責任者(CEO)も辞任。そんなリーダー“不在”という緊急事態の中での登板だ。内田誠氏は「社員が誇れる会社にしたい」と決意を語る。

 

子どもの頃から海外暮らしが長く、流ちょうな英語を話す。日産・仏ルノーの国際提携は「日本企業の今後の形だ」と憧れ、日産に中途入社し、希望通りルノーとの共同事業にも携わった。日産関係者は「物静かだが、その分、周囲としっかりコミュニケーションをとるタイプ」と明かし、自身も「社員らと議論を尽くして会社を前に進めたい」と話す。

 「車が大好き」で、日産入社前に初めて買ったのはスポーツカー「フェアレディZ」。「技術のワクワク感をもっと世に出していきたい」と“アクセル全開”の笑顔をみせる。
(文・後藤信之)  
日刊工業新聞2019年12月3日

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