市場にない素材、JXTGエネが開発した新規ポリマーの性能
難燃・透明・高屈折率を実現
JXTGエネルギーは、難燃・透明・高屈折率の特徴をそろえた新規ポリマー(写真)を開発した。難燃性の高さはUL94規格でもっとも高グレードの「V―0」。屈折率は1・6以上。同社によると、難燃性と透明・高屈折率を両立した素材は市場にないという。難燃レンズや表面の保護材料、ガラス代替など、顧客と協力して新たな用途を探索する。
新規ポリマーには、共重合性ビニルモノマーを使っており、組み合わせる素材によって、熱可塑性ポリマーにも熱硬化性ポリマーにもできる。物性も制御できる。ハロゲン系難燃剤やフィラーは使っていない。モノマーの構造によって難燃性を付与した。まず顧客ニーズを把握し、それに合わせた物性の素材を作り込む。
現在、屈折率1・64の熱可塑性ポリマーと、同1・61の熱硬化性ポリマーの開発品を用意している。全光線透過率はともに88%。V―0の難燃性素材のため、10秒間の着火を2回繰り返しても自然にすぐ消える。表面のみススがついた状態となる。既存の難燃・高屈折率の素材は、UL94規格でV―2グレードだったという。
4―6日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される「高機能プラスチック展」に初展示し、加工メーカーやエレクトロニクスメーカーなどへ訴求する。
日刊工業新聞2019年12月2日