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家電が汚れない!三菱電機が開発した新素材はどんな仕組み?

プラスチックに混ぜると効果を発揮
 三菱電機はプラスチックに混ぜると親水性・親油性の汚れの両方を抑制する世界初の新素材「デュアルバリアマテリアル=写真」を帝人子会社のマーベリックパートナーズ(東京都中央区)と共同開発した。親水性ポリマーと撥水(はっすい)撥油効果がある特殊な疎水性素材で構成。成形すると表面部分に新素材が高濃度で露出するため、汚れが付きにくい。家電製品に順次適用して手入れの負担軽減につなげる。

 樹脂関連の販売代理店を通じて素材を配合したプラスチックを外販もする予定。販売時期や価格は未定。

 新素材はプラスチックの原料に配合すると、2種類の素材の溶融粘度の違いや素材同士の親和性により、成形物の表面に露出しやすくなる。表面に付着する汚れは、親水性部分と疎水性部分の両方に触れるため不安定な状態になり、気流や振動で剥がれやすくなる。油煙などの疎水性の汚れと、ホコリや砂などの親水性の汚れの両方を抑制してプラスチックに配合できる素材はこれまでなかった。

 家電やOA機器などに使われる複数の汎用プラスチックに適用が可能。滑りやすさや防カビ性など、他の機能性材料の配合もできる。複雑な成形物でも全体に防汚効果を付与でき、コーティングの手間を省ける。調色の工程で配合できるためデザイン性も損なわない。
日刊工業新聞2019年7月25日

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