新型アイフォーンの初期生産台数は過去最高。「日本部品」存在感高まる
「当面、世界規模でアップルの地位は揺るがない」(IHSグローバルの早瀬アナリスト)
携帯電話大手3社は顧客獲得の好機!?
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯電話大手3社は、25日から米アップルの「iPhone(アイフォーン)6s」「同6sプラス」の販売を始める。各社とも12日から予約を受け付ける。今年は2年前に購入したスマートフォンの更新時期を迎えるユーザーの取り込みが、各社の焦点となる。
NTTドコモは2013年5月にソニーと韓国サムスン電子のスマホを軸とした”ツートップ戦略“を打ち出して、アイフォーンは同年9月に取り扱いを始めた。その際にスマホを購入したユーザーの契約が2年を経過し、新型アイフォーンなど機種の乗り換えを検討する時期に当たる。競合のKDDIやソフトバンクは顧客獲得の好機とみて販売攻勢をかけてくる。
一方で新型アイフォーンは昨年発売した「同6」に比べ仕入れ価格が上昇するとの見方がある。ハイスペック化や為替の円安が進行したためだ。携帯大手の仕入れコストが膨らむなかで「どこまで販促費をかけ、競争が激化するのかが注目点」(SMBC日興証券)となる。
独立系携帯販売店では新型アイフォーンへの期待は大きく、新規や機種変更で異なる携帯大手の販売施策を注視する。その一方、2年前に「同5s」が品切れになった経験から、「在庫が気がかり」との声もある。
ただ、携帯大手各社とも端末での差別化が難しく、アイフォーンが競争上のポイントにならないのも事実。スマホの販売が成熟期に移行するなか、2台目需要のタブレット端末(携帯型情報端末)販売やコンテンツ提供による優位性の確保が重要性を増している。
《通信サービス、ドコモが高速化》
NTTドコモは10日、米アップルの新型スマートフォン「iPhone(アイフォーン)6s」「同6sプラス」の発売にあわせ、25日から通信サービス「プレミアム4G」を受信時に最大で毎秒262.5メガビット(メガは100万)に高速化すると発表した。東名阪エリアの1都2府15県に提供する。複数の周波数帯を束ねることで高速通信を可能にする技術を活用し、利用者は国内最速の通信サービスを楽しめるようになる。
(文=後藤信之、下氏香菜子、清水耕一郎)
日刊工業新聞2015年09月11日 電機・電子部品・情報・通信面