トヨタとダイハツの小型「兄弟車」、違いは何?
トヨタ自動車とダイハツ工業は5日、ダイハツが開発した小型スポーツ多目的車(SUV)を両社から発売したと発表した。トヨタは「ライズ」、ダイハツは「ロッキー」の名称で展開する。ダイハツが滋賀工場(滋賀県竜王町)で生産する。全長4メートル以下、排気量1000ccクラスの小型ながら、ゆったり座れる車室と容量369リットルの荷室を設けた。1クラス大きい17インチタイヤを採用し、アクティブなSUVらしさも追求した。
トヨタで最も小さいSUVとなり、小さい車への乗り換え需要に対応。ダイハツは2車種ある小型車に人気のSUVを加え、軽などからの乗り換えを狙う。ダイハツは同社初のミリ波レーダーで死角の車両を検知するシステムも搭載できる。
ダイハツの松林淳取締役は「顧客の期待に応える性能と市場に適した価格を両立した狙い通りの車にできた」と新型車のできばえに自信を見せた。消費税込み価格はトヨタが167万9000円から、ダイハツが170万5000円から。トヨタは月額制サービスでも提供する。
月間販売目標はトヨタ4100台、ダイハツ2000台。それぞれ、6500台と3500台を事前受注済み。
日刊工業新聞2019年11月6日
トヨタとダイハツの設計思想
ダイハツ工業は、7月から滋賀工場(滋賀県竜王町)で新型軽自動車を量産する。「DNGA」と呼ぶ同社の新しい設計思想に基づく第1弾の車両となる。市場投入は8月の予定。同工場は年内にDNGAの第2弾となる小型車の量産も計画する。今回の2車種はハイブリッド車(HV)ではないが、同社はDNGAに基づくHVも開発する方針だ。
DNGA第1弾は当初、20年の市場投入計画だったが、1年前倒し19年中とする方針を2月に示していた。車種数や量産開始時期は明かしていなかった。
滋賀工場は新型車のエンジンやトランスミッションも生産する。車両組み立ては従来の汎用ラインを活用し、トランスミッション生産は新ラインを導入した。通常、新型車両の量産立ち上げは約半年に1車種のペース。今回は開発のずれ込みなどで、約8カ月間で2車種の量産を始める計画となったもよう。
DNGAは「ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー」の略。車づくりの基本概念と位置づけ、その範囲は車設計から事業戦略に及ぶ。ダイハツはDNGAをトヨタ向けOEM(相手先ブランド)車両生産にも適用する考えだ。
日刊工業新聞2019年5月21日