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入手困難なヘリウム、お困りの研究機関支援へ東大が一手

再液化事業を開始
入手困難なヘリウム、お困りの研究機関支援へ東大が一手

ヘリウム液化機と液体ヘリウム貯槽

 東京大学物性研究所は、1日からヘリウムガスの再液化事業を開始する。同研究所が所有するヘリウム液化装置を使い、回収したヘリウムガスを再液化して液体ヘリウムを企業や大学などに提供する。ヘリウムが入手困難で価格が高騰する中で研究機関への支援が目的。安定したヘリウム供給が期待できる。

 利用者がヘリウムガスを持ち込む際に、ヘリウム純度が80%以上は1リットル当たり860円、純度が20―79%の場合、純度に応じて相談。月に5000リットルまで受け入れ可能。

 ヘリウムガスは低温実験や化学分析などの基礎研究に必要。安定で熱冷却性能があり、半導体や光ファイバーなどの産業用途から医療分野まで利用されている。世界的に需給が逼迫(ひっぱく)しており、ヘリウムを100%輸入している日本では輸入量が減少し、学術機関へ影響が出始めていた。
日刊工業新聞2019年10月1日

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