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グーグルも実践、生産性向上のカギ「心理的安全性の確保」とは?

三井住友海上が取り組み本格化
グーグルも実践、生産性向上のカギ「心理的安全性の確保」とは?

独自のツールを活用することで取り組みをサポートする

 三井住友海上火災保険は、働き方改革の一環として、生産性向上のカギとされる「心理的安全性」の確保に向けて取り組みを本格化する。上司や部下が建設的に意見を言い合える環境を維持することで、イノベーションを生む機会の増加や社員のやりがい向上を目指し、従業員の定着率アップにつなげる。2016年10月からの働き方改革では、総労働時間の10%削減など一定の成果が出ており、それを踏まえて次のフェーズに移行する。

 心理的安全性とは、他者の顔色を強く意識しすぎることなく気兼ねなく言動できる状態や雰囲気を指す。三井住友海上は19年度から社内の衛星放送やゲスト講師を招いた講義などで部課長を中心とするマネジメント層への周知徹底を実施。10月から「1on1」と呼ぶ週に一度以上の上司と部下による対話の取り組みなどを行う。

 心理的安全性が確保できたかについては定期的に実施している社員意識調査のロイヤルティーや働きがいなどの各種項目で確認するという。ノウハウが蓄積されれば営業店やグループのコンサルティング会社を通じた顧客への提供も検討する。

 心理的安全性の確保は米グーグルが生産性を高める方法として実践しているほか、経済産業省も組織の潜在力を最大化する企業文化の構築に必要な一要素として提言している。
日刊工業新聞2019年9月25日

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