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20-30代の女性に売れてる「育毛剤」の正体

Dear Mayukoが製造販売
20-30代の女性に売れてる「育毛剤」の正体

育毛剤やシャンプー、化粧水など約80のアイテムがあるディアマユコシリーズ

 性別を問わず、薄毛や抜け毛に悩む人に朗報だ。高島屋とセーレンの合弁会社、Dear Mayuko(ディアマユコ、東京都中央区、明比実也社長)が製造販売する、薬用頭皮美容液「スカルプエッセンス(医薬部外品)」が売れている。

 ドラッグストアなどでは「THE育毛剤」をうたう商品が大半で、行きづらい人も多い。「周りの目を気にせず、気軽にカジュアルに手に取れる商品を目指した。パッケージデザインには、あえて『育毛剤』の文字を外した」(営業本部商品部の今泉絵理香さん)。

 同商品は高島屋の店頭やディアマユコのサイトで販売している。「頭髪が薄くなった人、将来の薄毛が気になり始めた人が買い求めている」(同)という。中でも30―40代の男性、20―30代の女性の購入が多い。購入者からは「抜け毛が減った。排水溝を見ても明らか」との声や、「理容師に『毛根が立ち上がってるよ』と言われた」などの声が届く。

 製品の特徴は、セーレンがカイコの繭から独自に抽出、精製した「ピュアセリシン」を配合する点。保湿機能や、紫外線などのダメージを受けた肌のバリアー機能を回復する力がある。ピュアセリシンは育毛養毛用皮膚外用剤の特許を取得している。毛髪の成長、血管新生を促す効果があり、薄毛や脱毛症状を改善する。

 ただ、この効能だと先行して商品化されたセーレンの育毛剤と差が出ない。差別化するため、白髪を抑える効果のポップエキス、頭皮のにおいやふけを抑えるかきタンニンなどの成分を配合。自然材料で効果の幅が広いため、年齢が異なる家族間で使用可能だ。

 繭由来のピュアセリシンは、シルクとなじみが深い中国や東南アジアでも受け入れられやすいため、越境ECで、育毛剤や化粧品のディアマユコシリーズを販売している。より多くの人の手に渡るよう、日本では通常の販売だけでなく、OEM(相手先ブランド)での納入も増やす計画だ。(編集委員・丸山美和)
日刊工業新聞2019年9月2日

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