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蛍光灯照明の生産を終えるメーカーはこれからどう動く?

三菱電機照明は空きスペースを活用
 三菱電機照明(神奈川県鎌倉市、内田敏彦社長、0467・41・2701)は、天井用照明の「マイシリーズ」を中心に発光ダイオード(LED)照明を増産する。主力の掛川南工場(静岡県掛川市)と掛川北工場(同)に約5億円を投じ、蛍光灯照明用の設備を取り除きながら生産設備を増強。需要動向を見ながら、当面はマイシリーズの年間生産数を前年比約10%増で続ける方針だ。

 マイシリーズは、用途に応じて器具と照明ユニットの組み合わせを選べる天井用照明。オフィスや工場などを中心に、さまざまな場所に設置できる点が評価されている。三菱電機照明は、国内では既存のオフィスや事務所などのLED照明化率はまだ35%程度と低く、更新需要がしばらく続くと見ている。

 主力の2工場では蛍光灯照明も製造していたが、19年3月に同照明用の器具の生産を終了。ランプの生産も20年3月末に終了する。設備の撤去やレイアウトの変更で空いたスペースを活用し、LED照明の生産体制を強化する。

 マイシリーズの一部機種や出荷量の少ない製品を組み立てる掛川南工場では、新たなタレットパンチなどを導入予定。加えて、組み立てに必要な部品を自動で小分けにするキッティングの拠点を工場内に新設する。同拠点の建設費は約1億円。20年2月に完成予定、同年10月の稼働を目指す。

 新棟には自動搬送車や同社製の照明制御システムを導入する計画で、製品の組み立て効率を約20%向上する見込み。部品の付け忘れを防ぐ仕組みを取り入れ、品質向上につなげる。

 照明内部のモジュールや出荷量の多いマイシリーズ製品を製造する掛川北工場については、今後の取り組みを検討中。同工場では、製造・検査の工程で画像認識やIoT(モノのインターネット)の活用にも取り組んでおり、生産の合理化に向け、親会社の三菱電機の生産技術センターとも連携する方針だ。

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キッティングの拠点を設ける掛川南工場
日刊工業新聞2019年8月28日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
以前から照明器具を手がける各社が蛍光灯の生産を終了を発表していますが、オフィスビルに多いシステム天井などではLED照明への切り替えがまだまだ進んでいないようです。試しに職場の天井を仰いでみると蛍光灯がばっちり輝いていました。

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