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ホンダ、また海外4輪生産撤退。今度はアルゼンチン

ホンダ、また海外4輪生産撤退。今度はアルゼンチン

グローバル生産の最適化を図るホンダ(八郷隆弘社長)

 ホンダはアルゼンチンでの4輪車生産を2020年中に終了する。販売やアフターセールスは継続する。4輪事業の体質強化に向け、グローバルでの生産配置と生産能力の適正化を図る一環。同国の工場では2輪車の生産に集中する。

 ホンダは11年にカンパーナ工場(ブエノスアイレス州)で4輪車の生産を開始。現在はスポーツ多目的車(SUV)「HR―V」と2輪車を生産する。4輪車の生産能力は年3万台だが、18年の生産台数は約1万台だった。同国では通貨下落などの影響で自動車市場が低迷している。

 ホンダは4輪車生産についてグローバル(中国を除く)での工場稼働率を18年の90%から22年までに100%に引き上げる計画。八郷隆弘社長は「発表済みの日本やブラジル、タイ、欧州の生産見直しでフル稼働となる」としていたが、アルゼンチンでの見直しを含めて生産の的確な配置や適正化を進める。

日刊工業新聞2019年8月15日



英国とトルコは21年に終了


 ホンダは19日、英国、トルコでの4輪車生産から2021年中に撤退すると発表した。両工場ともに閉鎖する方向で従業員らと協議を始めた。世界の4輪車生産の配置と能力を適正化し、自動車業界で加速する電動化に対応するための取り組みの一環。今後、欧州には日本や中国から電動車を輸出し競争力を確保する。一方、2輪車事業について分散していた研究開発機能をホンダ本体に統合することを決めた。一体運営でスピードを高める。

 同日会見した八郷隆弘社長は英国生産撤退に関連し、日中で持つ電動車の競争力をいかし「欧州でハイブリッド車を含む電動車でホンダブランドを高めたい」と話した。ホンダの21年末の4輪車の世界生産能力は年510万台(18年度末は同540万台)に縮小する見込み。

 英国工場(スウィンドン市)は主力車「シビックハッチバック」を18年は約16万台生産し、従業員が約3500人。トルコ工場(コジャエリ州)は同「シビックセダン」を18年は約3万8000台生産し、従業員は約1100人。

 英国工場の出荷先は、北米向けが55%を占める。シビックハッチバックの次期モデルは北米での生産を決めた。英国は欧州連合(EU)離脱問題で揺れている。八郷社長は「その問題は関係なく、グローバル生産をどう最適化するかの観点で生産終了を決めた」と言うが、英国経済には打撃となりそうだ。

日刊工業新聞2019年2月20日

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