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インドで農機の商機

東洋農機はジャガイモ収穫機で参入。大手は「対マヒンドラ」戦略に違い出る

クボタ、販売網強化。マヒンドラを追う


日刊工業新聞2014年8月27日付


 クボタはインドの農業機械事業をテコ入れする。現地事情に適い、運搬にも使える40―50馬力のトラクターを2015年度に投入。これに合わせインド北部に進出し、同地域で当面50―60店舗の販売網を築く。販売状況に応じて現地生産も始める方針で、部品調達の準備に入る。インドのトラクター市場は年60万台で30―50馬力が9割超。クボタは20馬力が販売の中心でここの攻略が課題だった。約5割のシェアを持つ現地のマヒンドラ&マヒンドラを追う。

 インドではトラクターを農作業だけでなく人や荷物の運搬に使う多目的利用が主流。クボタは水田作業に向く軽量トラクターを得意とし、インド市場では不利だった。新トラクターは重量が2トンほどでクボタ従来品より25%程度重く、ハイパワーになると見られる。

 クボタはインド南部に約50店の販売網を築き、稲作や果樹園で利用する20馬力の小型トラクターで高いシェアを持つ。来年度までに北部パンジャブ地方の代理店と契約し順次販売網を広げる。

 インド向け新トラクターはタイの生産拠点から供給する。当面は年産1万台。3、4年先と見られる将来のインド生産を考慮しギアや軸、外装品などの外注品は生産開始当初からインドのローカルメーカーから可能な限り調達する。低コスト生産に有利と見ている。

 また新トラクターは将来トルコや東欧、東南アジアにも展開する計画。世界的な畑作市場向け製品拡充の一環として世界的な普及を狙う。

 インドは農業が主力産業で高い成長率を続け、機械化も進む。日本の農機メーカーでは、ヤンマーが三井物産や現地企業と6月に田植機やトラクターの製造販売会社を設立した。

ヤンマーは三井物産と販売会社を設立


日刊工業新聞2014年11月6日付


 ヤンマーのアジア戦略は「長期的に現地で事業を定着させるための腰を据えた取り組み」(山岡健人会長兼社長)に尽きる。例えばインドでは、稲作地帯である南部で田植機を使った日本式農業の定着を目指す。

 14年6月に三井物産、現地中堅財閥のムルガッパグループとインド南部に販売会社を新設した。山岡社長は「インドは財閥系で自動車大手のマヒンドラ&マヒンドラなど現地メーカーが強く、苦労しそう」と苦笑する。

 ただ土地あたりの収穫量が格段に多い日本の農業を広げて、インドの食料問題解決にも貢献できると見る。地道な周知徹底で日本式農法を着実に普及させる考えで、サービス網を整備し18年度の売上高75億円を見込む。
日刊工業新聞2015年08月28日 機械・ロボット・航空機面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
農機は国内市場は大きな成長が期待できないため必然と海外展開が課題になるが、経営体力の問題から業界再編もありそう。インドがジャガイモの収穫がそんなに多かったとは・・

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