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IoTによる「データ洪水」目前。求む!データ・サイエンティスト

GEはすでに産業機器に設置された1,000万個のセンサーを分析
 本格的にビックデータ時代を迎える今、そこから流れてくる膨大なデータを分析するデータアナリストも重要になってきました。世界が「データ・サイエンティスト」の確保のために取り組んでいる対策とこれからを予想します。

 騒がれ続けてきたモノのインターネット(IoT)が、いよいよ具現化され始めています。GEではすでに、管理している1兆ドル相当の産業機器に設置された1,000万個のセンサーから得られるデータの流れを分析しています。しかしガートナー社の予測によれば、5年以内にインターネットに接続されるデバイス数はなんと260億にのぼるとか。とてつもない量のデータが生み出されることになります。

 人材不足は明白だが明確な予測がない

 これほど膨大な情報に対処するには、当然ながら相当数の熟練した人材が必要に。しかし、どのくらい人材が足りないのか、人材不足によって生じるギャップがどれほどになるのか明確な予測はありません。

 マッキンゼー・グローバル・インスティテュートは2011年の段階で、近い将来米国内で「高い分析能力を持つ人材が14万人から19万人」、「管理者やアナリストが150万人」不足することになると警告。

 ガートナー社も2012年の段階で、2015年までに世界中でデータ分析をサポートするために必要とされる440万のIT関連のポジションのうち、実際に人材を確保できるのはわずか3分の1に過ぎないと予測しています。さらに、今年に入ってEUも、2020年に82万5,000人を上回る労働力不足が生じるという予測を発表しています。

 予測が難しい理由の一つは、データ・サイエンティストは統計、コンピュータ、データ管理、解析といった様々な分野の能力を独特のバランスで持ち合わせる必要があること。もちろん、そんな人材を一朝一夕に輩出することなど不可能です。

 2013年、米国の大学ではバイオメトリクス/生物統計学、コンピュータ・サイエンス、統計学、素粒子物理学の分野で計2,342の博士号が授与されました。データ・サイエンティストの一般的なリクルート先として考えられている分野にこれだけしか人材がいないのに対し、すでにデータ・サイエンティストを必要としているポジションは数万人規模。人材不足は もはや明白。

明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
IoTのアプリケーションはまだはっきりしてない。ただ2018年には全世界で80億台のIoTデバイスが登場するという予測があり、急速に物がインターネットにつながっていくことで、さまざまな産業に大きな影響を与える。そして社内のデータも「ビッグデータ」になっていく。まずはデータ・サイエンティストと仰々しく構えなくても、社内のリレーショナルデータベースの上に蓄積されているデータの統計処理をエクセルで始めることからかもしれない。

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