熱中症防止なるか?「地球シミュレータ」でリスクを定量評価する技術
海洋機構などが開発、発症リスクを減らす提案に活用
海洋研究開発機構の大西領グループリーダーと名古屋工業大学の平田晃正教授らは、都市を歩いた際の熱中症のリスクを評価する技術を開発した。東京駅周辺を対象にした熱環境の予測と人体モデルでのシミュレーションを実施。20分程度の歩行の際の体温上昇を調べたところ、日陰に比べ日なたを歩行した際に約0・2度C高くなることが分かった。真夏の屋外イベントの熱中症対策などへの応用が期待される。
米国政府の小委員会による熱中症リスク管理では1度Cの体温上昇を作業中止基準として挙げている。今後、対象地域や期間を拡大するなどし、熱中症リスクを減らす行動を提案するシステムの構築を目指す。
海洋機構のスーパーコンピューター「地球シミュレータ」を活用し、東京駅を中心とする2キロメートル四方の領域で5メートルメッシュでの環境予測シミュレーションを実施した。人が時速4キロメートルで23分間歩くことを想定し、異なる歩行ルートごとに体温変化を推定した。
選択したルートを歩いた場合に歩行者が受ける熱環境の時間変化データを算出。さらに詳細な人体モデルのシミュレーションを実施し、発汗量と体温上昇から熱中症のリスクを評価した。成人の体温上昇は日なたで0・39度C、日陰で0・22度C、子どもの体温上昇は日なたで0・48度C、日陰で0・28度Cとなることが分かった。
米国政府の小委員会による熱中症リスク管理では1度Cの体温上昇を作業中止基準として挙げている。今後、対象地域や期間を拡大するなどし、熱中症リスクを減らす行動を提案するシステムの構築を目指す。
海洋機構のスーパーコンピューター「地球シミュレータ」を活用し、東京駅を中心とする2キロメートル四方の領域で5メートルメッシュでの環境予測シミュレーションを実施した。人が時速4キロメートルで23分間歩くことを想定し、異なる歩行ルートごとに体温変化を推定した。
選択したルートを歩いた場合に歩行者が受ける熱環境の時間変化データを算出。さらに詳細な人体モデルのシミュレーションを実施し、発汗量と体温上昇から熱中症のリスクを評価した。成人の体温上昇は日なたで0・39度C、日陰で0・22度C、子どもの体温上昇は日なたで0・48度C、日陰で0・28度Cとなることが分かった。
日刊工業新聞2019年7月30日(科学技術・大学 )