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富士フイルムが監視カメラ参入、技術力で克服した既存製品の課題

レンズ一体型の遠望監視カメラを発売
 富士フイルムは、監視カメラ市場に参入する。第1弾として、レンズ一体型の遠望監視カメラ「FUJIFILM SX800=写真」を発売した。世界最望遠の焦点距離800ミリメートルまでカバーでき、空港や港湾などの遠望監視カメラとして主にシステム構築事業者(SI)に販売する。価格はオープン、月産台数と販売目標は非公表。

 全長410ミリメートルで、重さ6・4キログラム。焦点距離は20ミリ―800ミリメートルで、光学40倍ズームの高性能レンズを搭載。最大1・25倍のデジタルズームで1000ミリメートル相当の遠望監視もでき、約1キロメートル先の車が付けているナンバープレートの4ケタの数字も確認できる。

 民生用・業務用カメラで培った技術を投入して、既存の監視カメラの課題を克服した。新開発の防振機構により、強風を受けやすい場所や振動が多く発生する場所など監視カメラ特有の映像の揺れを抑える。レンズの駆動方式は後群の小口径レンズを高速で駆動する「リアフォーカス方式」にすることで、オートフォーカスの時間を最短約0・3秒まで大幅に短縮した。

 かげろうやかすみを高精度に検出、即時に補正できるアルゴリズムと画像処理エンジンを積んでいるため、外部デバイスを使わずに見やすい映像を撮影できる。

 レンズとカメラが一体型のため、設置の工数も少なく済む。

日刊工業新聞2019年7月25日

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