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災害時のスマホ充電体制、全キャリアショップに配備完了へ

災害対策用の蓄電池の配備が2019年度中に完了
災害時のスマホ充電体制、全キャリアショップに配備完了へ

北海道胆振東部地震では、携帯電話の充電サービスを受けるため長い行列ができた(札幌市中央区の札幌市役所)

 全国の携帯電販売店に、災害対策用の蓄電池の配備が2019年度中に完了する。KDDIは19年度中に約2500ある「auショップ」に蓄電池を設置する。NTTドコモとソフトバンクはすでに蓄電池配備を終えており、携帯大手3社が出そろう。これによりほぼ国内全ての販売店で停電時にもスマートフォンを充電できる体制が整う。各社は全国に隈なく構える販売店網を有効活用し、頻発する自然災害への備えを強める。

 KDDIはショッピングセンター内に設置したごく一部の販売店を除き、原則全店舗への配備を進める。すでに全国12店舗のKDDI直営店と、一部のauショップには設置済みで、今後全国に広げ2019年度中の完了を目指す。蓄電池の具体的な仕様は不明だが、ニチコン製やANKER製を採用する。

 携帯ショップの災害対策をめぐっては、NTTドコモが2日間無料で充電サービス可能な蓄電池を全国2331店の「ドコモショップ」に設置した。ソフトバンクも同約2400の「ソフトバンクショップ」と格安スマホブランドを扱う同約1000の「ワイモバイルショップ」に、スマホ約40台をフル充電できる蓄電池を配備した。

 生活の必需品となりつつあるスマホは、特に災害時には安否確認や情報収集の手段として大きな役割を果たす。各社の取り組みは、通信インフラを支える企業として消費者からの信頼性を高めることにもつながる。
日刊工業新聞2019年7月11日の記事に加筆
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
18年に発生した北海道地震では、市役所などで携帯電話の充電を求める行列ができました。今回の取り組みは災害時に被災者の安心を担保してくれそうです。(日刊工業新聞社・大城蕗子)

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