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女性の工学部卒はなぜ少ない?企業はロールモデルで魅力を伝えよう

立川敬二元NTTドコモ社長からの提言

女性技術者の民間支援も活発に


 民間における女性技術者支援運動も存在する。日本女性技術者フォーラム(JWEF)は92年から活動し、07年に設立されたNPO法人J―Winには女性技術者のSTEM(科学、技術、工学、数学)グループがあり、米国の法人W―STEMと姉妹関係を結び活動している。

 技術系の経営者で構成する社団法人技術同友会では、13年に「女性技術者活躍に向けてのポジティブ・アクションについて」を提言し、女性技術者の量的拡大のためのクオーター制の導入、女性の理工系進学支援、産業界における女性技術者育成の努力などを求めた。

 14年度には技術同友会自ら「女性技術者育成功労者」の表彰を始めた。初年度の受賞者はIHI大林組オリンパスの3人の方で、それぞれの会社で女性技術者の育成に努力された功績を認められた。15年度にはNTTドコモ、鹿島大成建設の3人が受賞した。受賞者を見て気づかれるように、建設会社が3社も入っている。すべて土木系の女性技術者育成の功績である。

 これらの動きを見ると、日本でもようやく少しずつではあるが、女性の活躍、ひいては女性技術者の活躍が進み始めたようである。この機会に産業界もダイバーシティーを推進し、新しい飛躍を模索してもらいたい。
 【略歴】
 立川敬二(たちかわ・けいじ)62年(昭37)東大工卒。電電公社(現NTT)入社。NTTアメリカ社長、NTT副社長、NTTドコモ社長を歴任。04年JAXA理事長。13年から立川技術経営研究所代表。工学博士。75歳。
 ※日刊工業新聞で毎週月曜日に「卓見異見」を連載中
日刊工業新聞2015年8月24日付けパーソン面
神崎明子
神崎明子 Kanzaki Akiko 東京支社 編集委員
立川氏の指摘の中でとりわけ共感できるのは「立派なロールモデルがあることを企業が示さなければらならい」との点。文系理系を問わず、女性の就業継続においては自身の将来像がイメージできる身近な先輩の存在は案外重要です。

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