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年齢よりも技術を重視、女性エンジニアの転職が活発化

リクルートキャリア調べ
 リクルートキャリアの調査によると、2009年の女性エンジニア(35歳以上)の転職決定数を1とした場合、18年は6・59倍まで上昇していることがわかった。年齢を問わない女性全体では3・68倍だった。人手不足が常態化する中、企業は年齢よりも技術力や実績を重視して、それらを持った女性エンジニアを積極的に採用する傾向が顕著になっている。

 機械、電気、電子、化学の領域は、女性の決定数が増加傾向にある業界。開発担当のエンジニア増員のため、本社勤務の採用が多い。その中でも早くから女性を登用していたある企業は、「優秀な女性がプロジェクトを推進して一定の成果が出てきた。このため、その人は昇進させ、後任は社外から採用する動きがある」(増田直子リクルートキャリアマネージャー)。

 これまで18時定時が多かった建設業界は、個人が希望する勤務条件に企業が対応する「ライフフィッティング採用」が浸透しつつある。入社時から時短制度やフレックス制度を適用できる企業が増加。資格が必須となることが多く、人材難である同業界は、特に有資格の女性を重要視しており、企業は柔軟な採用姿勢を見せている。

 女性エンジニアの転職決定数が増加する背景には、16年4月施行の女性活躍推進法の浸透やダイバーシティー経営の推進がある。もともと女性エンジニアが多いIT通信業界だけでなく、製造業や建設業でもデジタルトランスフォーメーション(デジタル変革)が加速し、こうした業界の各企業が、働き手に寄り添った仕事や環境を整備しているのが主な要因となっている。

日刊工業新聞2019年3月28日

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