メルカリも実践。全社員が『リファラル採用』に取り組む効果とは?
超売り手市場、採用勝ち組のカギはゆるいつながり
優秀な人材の獲得に成功している企業は、どんな採用活動をしているのか-。フリマアプリ大手のメルカリは社員全員が採用活動に参加し、採用者数の5-6割が社員からの紹介を通じて入社している。こうした個人的なつながりを活用した「リファラル採用」は、企業文化に合う人を採用でき、離職率が低い手法として最近注目されている。
採用関連サービスを展開するHERP(東京都品川区)とYOUTRUST(同渋谷区)は3月13日、リファラル採用を全社員で取り組む活動を『スクラム採用』と定義し、普及を目指すイベントを初開催した。約50人の人事担当者が参加し、熱心に耳を傾けた。
同イベントには、リファラル採用/スクラム採用を実施する企業も登壇し、実践内容やコツを紹介した。メルカリで人事や組織開発を担当する石黒卓弥氏は、社員全員で採用に取り組む理由を「資産は全て人なので当たり前のこと。もともと全員でやる価値観があった」と説明する。企業規模が大きくなり、比率は低くなったが、5-6割がリファラル採用によって入社している。
同社は経営陣のスケジュールも見える化している。経営陣が誰と会い、人とのつながりをつくって、採用活動に時間を割いているかがわかる。「トップが積極的にやっていれば、全員が『やろう』と思う。全員が採用活動に参加するには、経営陣のコミット(意思表示)と、知り合いに紹介したい良い会社であることが大事」(石黒氏)という。
リファラル採用は、もともとの知り合いだけでなく、企業側が積極的に人的ネットワークを広げて、多くの人材との接点を増やすことがポイントとなりつつある。キャッシュレス決済やオンラインストア開設・運営サービスを展開するヘイ(同渋谷区)は、多くの人材との接点を増やすユニークな活動を展開している。同社は、この1年で社員数が約90人増加しており、IT人材が争奪戦となる中で採用勝ち組の企業だ。佐俣奈緒子ヘイ副社長は、広い意味での人事の目標を「ヘイのファンを増やすこと」と言い切る。
同社の採用関連の活動は多彩で、例えば、採用サイトには、アーティストのプロフィール写真のようなエンジニアの写真を掲載。オリジナルデザインの「キットカット」の無料配布やデザイン性の高い企業ロゴを入りのアパレル製品の販売といった、採用活動と直結しなさそうな取り組みもある。
特に特徴的なものは、第2・第4木曜日20時から開催するイベント「ハロー ヘイ」だ。ヘイはどんな会社で、どんな人が働いているのか。個別に予約しなくても、毎月同じ時間にオフィス訪問できるようにした。転職するつもりのない人も、飲み物を片手に気軽に話を聞ける。ゆるいつながりから仲間が増えていく。
同イベントを主催したYOUTRUSTの岩崎由夏代表取締役は、「インターネット人材は超売り手市場。優秀な人ほど、その人が『転職しよう』と思った時には、もう転職先は決まっている」と話す。知人の誘いやオフィス訪問、副業などで転職を意識する前に会社の雰囲気を知る方法が増え、会社をだんだん好きになって転職を決められるようになったからだ。また、HERPの庄田一郎代表取締役は、「エンジニアなどの専門性の高い職種は、どんな人材がいいか現場が一番わかっている。現場の人が積極的に採用に関わった方がいい」と、全社員が採用活動に参加する必要を指摘する。
人材の流動化が進む中、新しい採用の形が模索されている。
採用関連サービスを展開するHERP(東京都品川区)とYOUTRUST(同渋谷区)は3月13日、リファラル採用を全社員で取り組む活動を『スクラム採用』と定義し、普及を目指すイベントを初開催した。約50人の人事担当者が参加し、熱心に耳を傾けた。
同イベントには、リファラル採用/スクラム採用を実施する企業も登壇し、実践内容やコツを紹介した。メルカリで人事や組織開発を担当する石黒卓弥氏は、社員全員で採用に取り組む理由を「資産は全て人なので当たり前のこと。もともと全員でやる価値観があった」と説明する。企業規模が大きくなり、比率は低くなったが、5-6割がリファラル採用によって入社している。
同社は経営陣のスケジュールも見える化している。経営陣が誰と会い、人とのつながりをつくって、採用活動に時間を割いているかがわかる。「トップが積極的にやっていれば、全員が『やろう』と思う。全員が採用活動に参加するには、経営陣のコミット(意思表示)と、知り合いに紹介したい良い会社であることが大事」(石黒氏)という。
リファラル採用は、もともとの知り合いだけでなく、企業側が積極的に人的ネットワークを広げて、多くの人材との接点を増やすことがポイントとなりつつある。キャッシュレス決済やオンラインストア開設・運営サービスを展開するヘイ(同渋谷区)は、多くの人材との接点を増やすユニークな活動を展開している。同社は、この1年で社員数が約90人増加しており、IT人材が争奪戦となる中で採用勝ち組の企業だ。佐俣奈緒子ヘイ副社長は、広い意味での人事の目標を「ヘイのファンを増やすこと」と言い切る。
同社の採用関連の活動は多彩で、例えば、採用サイトには、アーティストのプロフィール写真のようなエンジニアの写真を掲載。オリジナルデザインの「キットカット」の無料配布やデザイン性の高い企業ロゴを入りのアパレル製品の販売といった、採用活動と直結しなさそうな取り組みもある。
特に特徴的なものは、第2・第4木曜日20時から開催するイベント「ハロー ヘイ」だ。ヘイはどんな会社で、どんな人が働いているのか。個別に予約しなくても、毎月同じ時間にオフィス訪問できるようにした。転職するつもりのない人も、飲み物を片手に気軽に話を聞ける。ゆるいつながりから仲間が増えていく。
同イベントを主催したYOUTRUSTの岩崎由夏代表取締役は、「インターネット人材は超売り手市場。優秀な人ほど、その人が『転職しよう』と思った時には、もう転職先は決まっている」と話す。知人の誘いやオフィス訪問、副業などで転職を意識する前に会社の雰囲気を知る方法が増え、会社をだんだん好きになって転職を決められるようになったからだ。また、HERPの庄田一郎代表取締役は、「エンジニアなどの専門性の高い職種は、どんな人材がいいか現場が一番わかっている。現場の人が積極的に採用に関わった方がいい」と、全社員が採用活動に参加する必要を指摘する。
人材の流動化が進む中、新しい採用の形が模索されている。
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