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樹脂とガラスを融合した素材が狙う新市場

岩崎工業が製品化へ
樹脂とガラスを融合した素材が狙う新市場

樹脂とガラスの融合素材の成形品(左はブロー成形、右は射出成形)。軽量で割れにくい

 岩崎工業(奈良県大和郡山市、岩崎能久社長、0743・56・1311)は、樹脂とガラスを亜臨界融合した素材の製品を2021年をめどに商品化する。同社は樹脂製の家庭日用品が主力のメーカー。樹脂より質感が高く、ガラスより軽量で割れにくい製品を、樹脂やガラスの代替として提案し新市場を育成する。21年に食器類など日用品を商品化。25年に自動車分野での採用を目指し、新素材製品で年10億円の受注を計画する。

 高温・高圧の亜臨界状態で樹脂とガラスを融合した素材を用い、成形可能な微粉状態にして射出成形とブロー成形に成功した。円筒形に近いコップなどは射出成形。圧縮エアーを吹き込み立体的な中空が可能なブロー成形は、ワイングラスやボトルなどの商用化を想定している。まず家庭用や航空機内用の食器で展開し、順次、食器以外の分野へ応用展開する方針だ。

 素材配合比率は樹脂とガラスそれぞれ20―80%の間で複数種を成形しており、耐衝撃性や耐熱・耐冷却、耐候性などを物性試験中。用途に応じた配合比率を探る。

 現時点で白濁色だが、粉体素材を微細化することで分散性が高まり、透明度を増すことが判明している。このため粉体製造装置メーカーと協業し微細化を進めるほか、成形機メーカーとは同粉体素材の扱いに適した構造の機械を19年内にも開発する。

 20年にも製品のサンプル供給を始める。素材に樹脂端材やガラス廃材・端材を活用する研究も進め、ガラス製品以下の価格での市場投入を目指す。

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