デイリーポータルZ 広告担当の安藤昌教さんに聞く、読まれる「記事広告」の作り方
イッツ・コミュニケーションズ(東京都世田谷区)が運営する「デイリーポータルZ」というウェブメディアがある。愉快な気分になれるが役には立たない(ウェブサイトより)記事を毎日出している。最近だと「バナナで釘うって日曜大工」「スーッと動け!みそ汁のお椀」といった記事が上がっている。
記事広告を手がけているが、上記のような普通の記事と同じ熱量、スタンスで制作する。そのため広告主の商品をPRすることよりも、コンテンツ自体の面白さが優先されている。読者の一人として、また、同じウェブメディア業に携わる者としてしばしば思うのは、「読み物として楽しい。でもこれで広告主は納得したのか?」。そのあたりが不思議であり、記事広告の可能性を感じるところだ。
そこで、広告担当の安藤昌教さんに、記事広告を作る時の考え方や企画の進め方を聞いた。斬新な記事広告の作り方はもちろん、面白いコンテンツをどう生み出すかのヒントが満載だ。
ちなみに、記事終盤の「インタビュー後の雑談」は、必読である。
[文・平川透(Twitter)、写真・北山哲也]
—記事広告って商品の良さを伝えることなどが目的だと思いますが、デイリーポータルZの記事広告ではあまりそういうことをしていませんよね。
普通の記事と全く同じ熱量とスタンスで作るので、広告主におもねったりはしません。「この製品、最高ですね」みたいなことは書かないです。本当に最高だと思ったら書くかもしれないですが、ライターには本心を書いてもらっています。
読者からのイメージや信頼が一番大切で、それがサイトのパワーだと思っています。それを無視して短期的なお金儲けはしません。「このライターが言っているんだったら本当なんだろうな」と思ってもらうことがまず大事だと思っています。その信頼関係があってこその広告だと思っています。
—お金が出ているのに、広告主のことを無条件には褒めないんですね。
面白い記事って、まずはライターが本当に面白がっているかが最初の肝だと思うんです。面白くないのに「面白いです!」って言ってる記事ってどうしてもバレちゃうんです。そういう記事は書き直してもらうか掲載しません。「記事は落としてもいいから、本当に面白いと思ったことを書いて」と伝えています。
—広告主は何を期待し依頼をするのですか?
短期的に購買や獲得に結び付けようというのではなく、面白いことをやっている、もしくはやろうとする意志のある会社なんだな、というイメージ作りを目的にしてもらっているように思います。それは巡りめぐってお客さんを喜ばせようと本気で思っている会社なんだな、というイメージ作りにもつながります。
—何を目標に記事広告を作りますか?
読者とクライアントがどちらも満足してくれる記事、ですね。クライアントにはもちろん基本的な数字、例えばページビュー数とかユニークユーザー数、SNSの拡散数やコメントなどの反応なんかはまとめてレポートしていますが、記事の良し悪しって数字に表れない部分もあると思うので、数字だけを目標にすることはやめています。
—どういう流れで企画ができるのですか?
広告代理店を通さない案件だと、企業の担当者から「なんか面白いことやりましょうよ」なんていう漠然とした連絡をもらうことがあります。そこから会って雑談しながら、企業が何をアピールしたいのかとか、今回は何のためにやりたいのかという要点を聞いてきて、一旦持って帰ります。
要点をもとに、編集部内で会議をして、タイプの違う「切り口案」を5案くらい作って持っていきます。その時はまだ、記事の構成のようなはっきりしたものではなく、本当に切り口だけです。「浮かしてみたらどうだろう?」とか「大きくしてみたらどうだろう?」とか「焼いたら美味しいんじゃないの?」くらいの、本当に漠としたものです。
切り口案を先方でプレゼンして、ウケたものとウケなかったものをチェックしておきます。ウケたものはきっと相手の意図にも合っていて、同じ感覚を持って制作できる企画だと思うので、それをまた持って帰ります。
今度は構成を練ります。プレゼンでウケた2、3案に絞って、実際に記事を書く場合に想定される構成案を作ります。「こういうことやったら、こんな風になると思います」くらいまで、想定される流れを書いていきます。
この時点では担当するライターや撮影場所などの細かいことは書かずに、かわりに「こういう企画をやった場合には、読者はこんな印象を持つことが想定されます」というところを予想して提示します。いくつかの構成案の中で広告主が気に入ったものがあれば、発注いただき、実際に制作に入ります。
—構成案を提示してから受注するということですが、「養命酒」のこの記事広告の内容ってほとんど「いなかの道中」ですよね。最初からこのような構成案だったのですか?
最先端の地「トドヶ崎」で最先端の養命酒を発表する
正直、構成案の通りにはいかないことも多いです。それはクライアントにも事前に伝えてあります。行った先で何が起きるかなんて、行ってみないとわからないですからね。
マルちゃんでおなじみの「東洋水産」の記事も結果がどうなるかわからない企画でした。「仕送りボタン」というのを東洋水産さんが作ったので記事でアピールしてほしい、と。これは親が仕送りするイメージで、「ボタンを押すとカップ麺が届く仕組み」ということでした。
ボタン一つで助かる若者がいます ~ボタンを押して玄関のチャイムを鳴らそう〜
そこで、同じような仕組みを記事内に再現しました。読者が記事内のボタンを押すと一人暮らしのライターの自宅のチャイムが鳴ります。チャイムが鳴ると本人は寂しくなくてうれしい、という企画です。「みんながボタンを押してくれたらきっとライターは喜びます」ということで、構成案を出すわけですが、「本当にみんなが押してくれるかどうかはやってみないとわかりません」とも伝えました。
1回も押されずチャイムは鳴りませんでした、ということも可能性としてはありうると思います。そうなった場合でも、正直にネタにして書いちゃったでしょうね。「これだけがんばって準備して記事を作ったのですが、誰も押しませんでした!」という風に。企画が失敗してもそれがリアルなので仕方がないんです。失敗しても面白い記事になるよう練りますし、企画が失敗したからといってそれは商品のせいじゃなく僕らのせいですから、広告主にマイナスになってしまうことはないと考えています。
この企画は実際にやってみたら、公開直後から12時間、ライター宅のチャイムが鳴り止みませんでした。
—普通の記事や記事広告を作るにあたって、どのような企画会議をしますか?
定期的にライターを呼んで、ネタを持ち寄る会を開きます。この会には各ライターが笑わしにきます。でも会議でウケたネタって、意外と記事にならなかったりするんです(笑)その場でウケたら満足して帰っていく(笑)笑いっぱなしの会議ですが、記事にならない雑談も多いです。
ただ、その場でウケた企画って、何か引っ掛かりがあるんですよね。すぐに記事にはならなくてもみんなの記憶に残っていて、何かあった時に「そういえばあいつ、あんなこと言ってたな」と再び思い出してもらえるんです。
ずいぶん前に、あるライターが「魚群探知機で自撮りをしたい。自分は海底にいるから船から撮ってほしい」と言ってて、これは完全に会議用のネタだったと思うんですよ。でも最近クライアントからきた案件のキーワードに「自撮り」が出てきたので、「魚群探知機で自撮りする」を提案しておきました。採用されなかったですけどね。
—記事広告は儲かりますか?
かなりの時間や人件費がかかる作り方をしているので、厳密に計算すると見合ってないのかもしれません。
—コストをいかに抑えるかを目指しそうなものですが。
我々は逆に「いかに使えるか」を先に考えちゃいますね。いかに会社に叱られない範囲で制作費を使っていい記事を作れるか。やっぱりある程度は、時間とお金って面白さに関係してくると思うんです。もちろん、それが全てではないですが。なので、できる限りの手間とお金はかけたいと思っています。
—ウェブメディアが広告事業で潤うために重要なことは何だと思いますか?
まず広告を自分たちなりに勉強して、そのメディアにしかできない広告を作ることだと思います。他でもできる広告だと価格競争とか数字だけの戦いになってしまうので。
—安藤さんが思う「面白さ」や「斬新さ」ってどこから生まれてきますか?
いつも楽しい気分で生きていることでしょうか。それから新しい空気や場所や情報に常に触れていることも必要だと思います。楽しい気分と多くのインプットが掛け合わされると、アウトプットが面白くなるのは必然だと思います。
—どうすればいつも楽しい気分でいられますか?
世の中、つまんないことっていっぱいあるじゃないですか。それを逆に面白がれるようになることですね。イヤなことでもいかに面白がれるか。誰かに理不尽なこと言われたりしても、ちょっと俯瞰してみて、「この状況、冷静に考えると可笑しいぞ」と変換できるようになると強いですね。悲観的にならずに、「見方を変えれば実は面白いぞ」ということに気が付けば、それは人に伝えるべき価値がある情報だと思っています。
—ありがとうございました。これでインタビューは終わりです。ちょっとひとつ、お礼といいますか何といいますか、見ていただきたいものがあります。
何ですか。お金ですか。
—「今度、デイリーポータルZに取材に行くんだ」という話を会社でしておりましたら、弊社の者がデイリーポータルZの1年ほど前の記事URLを送ってきたんですね。これです。
「このジャンルの雑誌は読まないわ~」という雑誌を探してみんなで見ると盛り上がる
—誰が読んでいるのかわからない非常にニッチな雑誌を探して披露しようという感じの企画ですね。スクロールしていきますと・・・
ああ、なんかわかってきたぞこれ(笑)
—スクロールしていきますと、4冊目に「プレス技術」という雑誌が。こちら弊社、日刊工業新聞社の雑誌です。
あー、これ御社の雑誌でしたね。すみません。でもマニアックなところ突いてきますよね!
いい雑誌じゃないですか。
いい雑誌、「プレス技術」の定期購読はこちらから
—ありがとうございます。で、他にどんなマニアックな雑誌があるんだろうかと、さらにスクロールしていますと・・・
もしかしてまた出ました?
—はい、6冊目は弊社の「工場管理」です。
なるほどこれもか(笑)工場管理で1冊雑誌を作るっていう、この発想は普通じゃないですよね!これ季刊ですか?
—いえいえ、月刊です。プレス技術も月刊です。
毎月読もう!「工場管理」の定期購読はこちらから
おお、それこそ取材したいです。お話聞かせてくださいよ。「プレス技術」とか「工場管理」とか、月刊で何をそんなに書くことがあるんですか(笑)
—ぜひお越しください。「プレス技術」の編集の者が「取り上げてくださり、ありがとうございますって言っといてな」と言っておりました。(終)
*この記事は、何かしらの記事広告ではありません。
プロフィール
安藤昌教(あんどうまさのり)
国立研究所研究員、カフェ経営、ダンサーなどを経て現職に。デイリーポータルZでは主に広告企画の営業とディレクションを担当。ものをむかずに食べる「むかない安藤(Twitter)」としても活動中。
記事広告を手がけているが、上記のような普通の記事と同じ熱量、スタンスで制作する。そのため広告主の商品をPRすることよりも、コンテンツ自体の面白さが優先されている。読者の一人として、また、同じウェブメディア業に携わる者としてしばしば思うのは、「読み物として楽しい。でもこれで広告主は納得したのか?」。そのあたりが不思議であり、記事広告の可能性を感じるところだ。
そこで、広告担当の安藤昌教さんに、記事広告を作る時の考え方や企画の進め方を聞いた。斬新な記事広告の作り方はもちろん、面白いコンテンツをどう生み出すかのヒントが満載だ。
ちなみに、記事終盤の「インタビュー後の雑談」は、必読である。
[文・平川透(Twitter)、写真・北山哲也]
広告主におもねらない
—記事広告って商品の良さを伝えることなどが目的だと思いますが、デイリーポータルZの記事広告ではあまりそういうことをしていませんよね。
普通の記事と全く同じ熱量とスタンスで作るので、広告主におもねったりはしません。「この製品、最高ですね」みたいなことは書かないです。本当に最高だと思ったら書くかもしれないですが、ライターには本心を書いてもらっています。
読者からのイメージや信頼が一番大切で、それがサイトのパワーだと思っています。それを無視して短期的なお金儲けはしません。「このライターが言っているんだったら本当なんだろうな」と思ってもらうことがまず大事だと思っています。その信頼関係があってこその広告だと思っています。
—お金が出ているのに、広告主のことを無条件には褒めないんですね。
面白い記事って、まずはライターが本当に面白がっているかが最初の肝だと思うんです。面白くないのに「面白いです!」って言ってる記事ってどうしてもバレちゃうんです。そういう記事は書き直してもらうか掲載しません。「記事は落としてもいいから、本当に面白いと思ったことを書いて」と伝えています。
企画はこうやってできていく
—広告主は何を期待し依頼をするのですか?
短期的に購買や獲得に結び付けようというのではなく、面白いことをやっている、もしくはやろうとする意志のある会社なんだな、というイメージ作りを目的にしてもらっているように思います。それは巡りめぐってお客さんを喜ばせようと本気で思っている会社なんだな、というイメージ作りにもつながります。
—何を目標に記事広告を作りますか?
読者とクライアントがどちらも満足してくれる記事、ですね。クライアントにはもちろん基本的な数字、例えばページビュー数とかユニークユーザー数、SNSの拡散数やコメントなどの反応なんかはまとめてレポートしていますが、記事の良し悪しって数字に表れない部分もあると思うので、数字だけを目標にすることはやめています。
—どういう流れで企画ができるのですか?
広告代理店を通さない案件だと、企業の担当者から「なんか面白いことやりましょうよ」なんていう漠然とした連絡をもらうことがあります。そこから会って雑談しながら、企業が何をアピールしたいのかとか、今回は何のためにやりたいのかという要点を聞いてきて、一旦持って帰ります。
要点をもとに、編集部内で会議をして、タイプの違う「切り口案」を5案くらい作って持っていきます。その時はまだ、記事の構成のようなはっきりしたものではなく、本当に切り口だけです。「浮かしてみたらどうだろう?」とか「大きくしてみたらどうだろう?」とか「焼いたら美味しいんじゃないの?」くらいの、本当に漠としたものです。
切り口案を先方でプレゼンして、ウケたものとウケなかったものをチェックしておきます。ウケたものはきっと相手の意図にも合っていて、同じ感覚を持って制作できる企画だと思うので、それをまた持って帰ります。
今度は構成を練ります。プレゼンでウケた2、3案に絞って、実際に記事を書く場合に想定される構成案を作ります。「こういうことやったら、こんな風になると思います」くらいまで、想定される流れを書いていきます。
この時点では担当するライターや撮影場所などの細かいことは書かずに、かわりに「こういう企画をやった場合には、読者はこんな印象を持つことが想定されます」というところを予想して提示します。いくつかの構成案の中で広告主が気に入ったものがあれば、発注いただき、実際に制作に入ります。
失敗したらしたで、ネタにすればいい
—構成案を提示してから受注するということですが、「養命酒」のこの記事広告の内容ってほとんど「いなかの道中」ですよね。最初からこのような構成案だったのですか?
正直、構成案の通りにはいかないことも多いです。それはクライアントにも事前に伝えてあります。行った先で何が起きるかなんて、行ってみないとわからないですからね。
マルちゃんでおなじみの「東洋水産」の記事も結果がどうなるかわからない企画でした。「仕送りボタン」というのを東洋水産さんが作ったので記事でアピールしてほしい、と。これは親が仕送りするイメージで、「ボタンを押すとカップ麺が届く仕組み」ということでした。
そこで、同じような仕組みを記事内に再現しました。読者が記事内のボタンを押すと一人暮らしのライターの自宅のチャイムが鳴ります。チャイムが鳴ると本人は寂しくなくてうれしい、という企画です。「みんながボタンを押してくれたらきっとライターは喜びます」ということで、構成案を出すわけですが、「本当にみんなが押してくれるかどうかはやってみないとわかりません」とも伝えました。
1回も押されずチャイムは鳴りませんでした、ということも可能性としてはありうると思います。そうなった場合でも、正直にネタにして書いちゃったでしょうね。「これだけがんばって準備して記事を作ったのですが、誰も押しませんでした!」という風に。企画が失敗してもそれがリアルなので仕方がないんです。失敗しても面白い記事になるよう練りますし、企画が失敗したからといってそれは商品のせいじゃなく僕らのせいですから、広告主にマイナスになってしまうことはないと考えています。
この企画は実際にやってみたら、公開直後から12時間、ライター宅のチャイムが鳴り止みませんでした。
「魚群探知機で自撮り」をクライアントに提案
—普通の記事や記事広告を作るにあたって、どのような企画会議をしますか?
定期的にライターを呼んで、ネタを持ち寄る会を開きます。この会には各ライターが笑わしにきます。でも会議でウケたネタって、意外と記事にならなかったりするんです(笑)その場でウケたら満足して帰っていく(笑)笑いっぱなしの会議ですが、記事にならない雑談も多いです。
ただ、その場でウケた企画って、何か引っ掛かりがあるんですよね。すぐに記事にはならなくてもみんなの記憶に残っていて、何かあった時に「そういえばあいつ、あんなこと言ってたな」と再び思い出してもらえるんです。
ずいぶん前に、あるライターが「魚群探知機で自撮りをしたい。自分は海底にいるから船から撮ってほしい」と言ってて、これは完全に会議用のネタだったと思うんですよ。でも最近クライアントからきた案件のキーワードに「自撮り」が出てきたので、「魚群探知機で自撮りする」を提案しておきました。採用されなかったですけどね。
どうすれば人は面白くなれるか
—記事広告は儲かりますか?
かなりの時間や人件費がかかる作り方をしているので、厳密に計算すると見合ってないのかもしれません。
—コストをいかに抑えるかを目指しそうなものですが。
我々は逆に「いかに使えるか」を先に考えちゃいますね。いかに会社に叱られない範囲で制作費を使っていい記事を作れるか。やっぱりある程度は、時間とお金って面白さに関係してくると思うんです。もちろん、それが全てではないですが。なので、できる限りの手間とお金はかけたいと思っています。
—ウェブメディアが広告事業で潤うために重要なことは何だと思いますか?
まず広告を自分たちなりに勉強して、そのメディアにしかできない広告を作ることだと思います。他でもできる広告だと価格競争とか数字だけの戦いになってしまうので。
—安藤さんが思う「面白さ」や「斬新さ」ってどこから生まれてきますか?
いつも楽しい気分で生きていることでしょうか。それから新しい空気や場所や情報に常に触れていることも必要だと思います。楽しい気分と多くのインプットが掛け合わされると、アウトプットが面白くなるのは必然だと思います。
—どうすればいつも楽しい気分でいられますか?
世の中、つまんないことっていっぱいあるじゃないですか。それを逆に面白がれるようになることですね。イヤなことでもいかに面白がれるか。誰かに理不尽なこと言われたりしても、ちょっと俯瞰してみて、「この状況、冷静に考えると可笑しいぞ」と変換できるようになると強いですね。悲観的にならずに、「見方を変えれば実は面白いぞ」ということに気が付けば、それは人に伝えるべき価値がある情報だと思っています。
インタビュー後の雑談
—ありがとうございました。これでインタビューは終わりです。ちょっとひとつ、お礼といいますか何といいますか、見ていただきたいものがあります。
何ですか。お金ですか。
—「今度、デイリーポータルZに取材に行くんだ」という話を会社でしておりましたら、弊社の者がデイリーポータルZの1年ほど前の記事URLを送ってきたんですね。これです。
—誰が読んでいるのかわからない非常にニッチな雑誌を探して披露しようという感じの企画ですね。スクロールしていきますと・・・
ああ、なんかわかってきたぞこれ(笑)
—スクロールしていきますと、4冊目に「プレス技術」という雑誌が。こちら弊社、日刊工業新聞社の雑誌です。
あー、これ御社の雑誌でしたね。すみません。でもマニアックなところ突いてきますよね!
いい雑誌じゃないですか。
—ありがとうございます。で、他にどんなマニアックな雑誌があるんだろうかと、さらにスクロールしていますと・・・
もしかしてまた出ました?
—はい、6冊目は弊社の「工場管理」です。
なるほどこれもか(笑)工場管理で1冊雑誌を作るっていう、この発想は普通じゃないですよね!これ季刊ですか?
—いえいえ、月刊です。プレス技術も月刊です。
おお、それこそ取材したいです。お話聞かせてくださいよ。「プレス技術」とか「工場管理」とか、月刊で何をそんなに書くことがあるんですか(笑)
—ぜひお越しください。「プレス技術」の編集の者が「取り上げてくださり、ありがとうございますって言っといてな」と言っておりました。(終)
*この記事は、何かしらの記事広告ではありません。
プロフィール
安藤昌教(あんどうまさのり)
国立研究所研究員、カフェ経営、ダンサーなどを経て現職に。デイリーポータルZでは主に広告企画の営業とディレクションを担当。ものをむかずに食べる「むかない安藤(Twitter)」としても活動中。
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