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スイッチの“カチカチ”触感、NTTが再現シート開発

タッチパネルに後付け可能
スイッチの“カチカチ”触感、NTTが再現シート開発

タッチパネル上に磁石製スライド目盛りやスイッチを配置した例

 NTTコミュニケーション科学基礎研究所の安謙太郎研究主任は、磁石シートでカチカチとした触感のある目盛りやスイッチを作る手法を開発した。簡単に切り貼りでき、タッチパネルのような平面の上に触感を後付できる。直接目で見ずに手探りで操作するインターフェースの試作検証などに提案する。

 N極とS極の配列パターンを変えたゴム磁石シートを2枚貼り合わせて上下にずらすことで触感を作る。NとSをしま模様に並べたシートでは、NとSが重なるとシート同士密着し、NとNやSとSが重なるとシートが浮いて滑る。片方のシートをスライドさせるとしま模様の間隔ごとにカチカチと目盛りのような触感が表れる。

 NとSの間隔を2枚とも6ミリメートルと6ミリメートルにそろえると密着力は高くなる。6ミリメートルと3ミリメートルだと、片側のNしまに反対側のNとSのしまが入るため密着力は弱くなる。しまの間隔で触感を調整可能。NとSを放射状に並べると回転目盛りになる。

 磁石シートはフェライト磁石をゴムに混ぜたものが多く、ネオジム磁石でなぞるだけで着磁できる。レーザーカッターのヘッドをネオジム磁石に交換すれば2Dパターンを描画できる。磁石シートとクリップを組み合わせると静電容量式タッチパネルを操作できる。スイッチのような触感を提示する場合、機械式の構造を作ることが多い。身近な磁石シートで使用感を検証できると便利になる。
日刊工業新聞2019年1月16日

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