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古いフィルムも4K映像に、アナログデータのデジタル化サービスが本格稼働へ

サペレ、長期保存が可能な利点を生かして提案
古いフィルムも4K映像に、アナログデータのデジタル化サービスが本格稼働へ

デジタル化した4K映像(右)と変換前の映像

 サペレ(東京都港区、米谷成一社長、03・6722・2270)は、音声や映像といったアナログデータをデジタル化し、半永久保存していつでも閲覧できるサービスに本格的に乗り出す。劣化した35ミリメートルフィルムを4K映像に変換できる装置、100年以上の長期保存できる独自システムを活用。フィルムや書類などを数多く保存する官公庁や企業に提案していく。2020年度の売上高で18年度見込み比約14倍の11億7000万円を目指す。

官公庁・企業に提案


 サペレはカセットテープ、レコード、フィルム、写真などのアナログ記録データをデジタル化できる。古いフィルムの映像を読み取って4K映像化できる装置を開発したプリント基板や電子機器設計・製造の山勝電子工業(川崎市高津区)などの協力を得てサービスを提供。変換したデジタルデータは顧客の要望に応じて媒体やオンラインで納品する。

 デジタル化したデータを保存・閲覧できるクラウドストレージサービス「ホットスタンバイ」も手がける。保存システムの記録媒体に書き換えや消去ができないWORM構造のフラッシュメモリーを使う。100年以上の耐久性があるフラッシュメモリーを使うことで長期保存が可能。パスワードを使ってデータの閲覧や保存、ダウンロードができる。

 サペレは18年4月にリコーグループ出身の米谷社長、NTT出身で「4K映像規格の父」と呼ばれる小野定康取締役を中心に設立。すでに大企業数社から引き合いがある。今後は技術職や営業職の社員を増やし、20年度に全社員数で50人まで増員する。絵画などのデジタル化も計画。22年度に株式上場を目指す。米谷社長は「上場時に売上高を20年度の2―3倍に増やしたい」と語った。
日刊工業新聞2018年11月30日

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