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メルシャンが日本ワインの輸出を強化、香港を戦略拠点に選んだ理由は?

和食ブームで日本ワインの評価は高まっている
メルシャンが日本ワインの輸出を強化、香港を戦略拠点に選んだ理由は?

日本ワイン「シャトー・メルシャン」を紹介する代野社長

 メルシャンは日本のブドウを原料に国内で醸造した日本ワイン「シャトー・メルシャン」ブランドの香港向けの輸出を本格化する。12月4日に日本ワインとして海外で初の発表イベントを開催。現地での売り込みを開始する。日本ワインは海外の和食ブームで海外で評価が高まっており、香港を戦略拠点と位置付けて将来のアジア市場への布石にする。

 メルシャンはシャトー・メルシャンで日本の3カ所のワイナリーを軸とした新たなポートフォリオ展開を今秋に開始。これを機に、香港で本格的な売り込みを始める。

 12月4日には海外で初開催となる「新ポートフォリオ発表会」を開き、代野照幸社長がポートフォリオの内容を解説する。また「マスター・オブ・ワイン」の資格を持つ大橋健一氏らが同ワインの魅力を説明する。

 メルシャンは2017年に日本ワインの香港輸出を始めた。香港は世界的に有名なワインコンクールが開催されるなど、情報発信地としても重要な市場になっている。そこで同地を戦略拠点として本格的に攻める。

 日本ワインは訪日外国人(インバウンド)の拡大や、海外での和食ブームもあり、評価が高まっているという。現在、輸出額はまだまだ小さいというが、「19年以降に2倍、3倍に伸ばせる」(代野社長)とみている。輸出額が一定の規模になれば、販売拠点の新設も検討する。

 メルシャンは「勝沼ワイナリー」(山梨県甲州市)を中心に「桔梗ヶ原ワイナリー」(長野県塩尻市)、19年秋開設の「椀子ワイナリー」(同上田市)の3拠点を軸に、日本ワインでポートフォリオを展開している。
日刊工業新聞2018年11月16日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
国税庁によると、2016年の日本ワイン出荷量は1584万9000リットル(前年比5.2%増)、輸出量は5万6000リットル(同25.9%増)でした。国内市場に占める割合も少しずつ増えています。

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